第2章 占い師としての日々 第11話「試験と信頼4」
水源が決定し、今後のプランも立てられたので、シュンゴとリーセはアンジェに相談しに行った。
アンジェはシュンゴの報告を聞き、喜んでいるのか残念にしているのかわからない、複雑な表情をした。
しばらく沈黙があった。
「、、、シュンゴ、やってくれたのはありがたいが、それだと予算が足りなくなる。」
アンジェが重い口を開いたが、出てきたのはこの言葉だった。
「水路を作って水道を通すことは困難ですか?」
シュンゴも少し驚いた表情をしたが、ギリギリ想定内ではあった。なんとか対処はできるレベルだ。
「、、、そうだな。やはりいくらきれいな水源とはいえ、森の奥から水路を使って水を引っ張ってくるのは困難だ。もう少し街の近くで賄えるように整えてほしい。」
「、、、わかりました。」
「先生、大丈夫そう?」
リーセが心配そうに顔を覗き込んでくる。
「まあ、大丈夫さ。こうなってくると結局、教育が大切になってくるんだよな、、、。」
「、、、教えても理解できない人もいるかもしれない。話を聞いてくれるだけでもいい方だと思う。」
リーセが少し暗い表情をした。思い当たる節があるのだろう。
「リーセ、大丈夫さ。結局、私達は上手く伝言ゲームをするだけでいいんだよ。」
「、、、まずは技官の人に話をするの?」
「そうだ。そこから街の少し詳しい知識人から少しずつ正しい知識を伝えていく。こうすることで少なくとも以前よりかは水問題は減ると思う。」
「、、、水の汚染度についてはどうするの?」
「そこは微生物、小さい生き物による浄化作用を使う。小さい生き物が住みやすい環境を作って、水の汚れを食べてもらうんだ。あとはもう一度この前やった水質試験をさらに慎重に繰り返しやっていくしかないね、、、。」
「、、、でも技官の人や街の人に協力してもらえれば話は早いかも。」
「そう、それが教育の力の一つなんだ。」
「、、、先生がたくさんの人の先生になるのは、少し誇らしい。」
「ははは、、、。まあ、私が教育者になるのも少し烏滸がましいけどね。上下関係を作りたくないんだ。知っていても同じ目線で物事を見ることが大事なんだよ。私はリーセとも対等でありたいからね。」
「、、、そうなんだ。やっぱり先生って不思議。」
リーセは少し俯いて。
「、、、私の子供の頃の先生も先生がよかった。」
と呟いた。
「ん?何か言ったかい?」
あまり湿っぽい空気を出したくなかったので、その場はとぼけて、リーセとは技術や今後の話をしようと思った。
「、、、別に。」
リーセが自分のことを話したいのかそうでないのかが少しわからなかった。
とりあえず前を向いてもらえるように、シュンゴはリーセに生きるための知識の話をした。




