第2章 占い師としての日々 第8話「試験と信頼1」
アンジェから紹介された技師の話を聞き、シュンゴはどういう流れで水を分析・評価し、どこを候補とするか考えた。
(現状の技術と文化から考えると、ここまでが無難なところか、、、)
採水方法、分析手法、評価方法、改善の骨格についてメモにまとめていたところ、
「、、、先生。」
リーセが占いの館の奥にある個室のドアをノックしたようだ。シュンゴは現在、占いの館で寝泊まりしている。
「ん?リーセか。どうしたんだい?」
「、、、先生から技術のことも教わりたい。占いのことはたぶん、だいぶわかったと思う。心配ならテストして確認してほしい。」
シュンゴは、少し考えた。
「、、、無理はしていないかい?問題ないなら教えるよ。根を詰め過ぎないようにね、リーセ。」
「、、、大丈夫。」
「占いはどういうところがわかったのかな?」
「人の性格や能力が、生まれた日時や顔、手の形で、ある程度予測する手段が得られること。タロットとか易学はよくわからなかった。」
「ああ、卜占はセンスがいるからね。私も日によって当たったり外れたりさ。卜占についてはある意味、この世の存在に感謝してメッセージを受け取ること、と大雑把に捉えているよ。個人的な考えだけどね、、、。」
シュンゴは少し水を飲んだ。
「、、、リーセ。私が持っている知識やアイデアは他の技師さんと少し毛色の違うものだと思う。だからなるべく、主張するのではなく住民の方々に理解してもらうようにするんだ。一緒に課題を解決する形でね。約束できるかい?」
「、、、わかった。」
2人の作戦会議は深夜までに及んだ。
早朝、酒場のジェイクとすれ違った。
ジェイクはリーセとシュンゴの様子を見て、ニヤニヤしていた。
「よう!お二人さん、良い仲になったのか?」
「、、、ジェイクさん、どういう意味です?私はリーセとこの街のある区画の衛生状態を改善する仕事について話し合っていただけですよ。」
「、、、そう。何もない。」
ジェイクは少しため息をついた。
「なんでえ、シュンゴは女心ってやつを学んだ方がいいな。あのな、男と違っていろいろあるんだよ。ちょっとは察することをした方がいいぜ。お前はのめり込むとそういうのよく抜けるからな。」
「そうですね、、、。リーセも女の子ですし、もっと早めに家に帰しておくべきでしたね。」
「、、、先生、いろいろな意味で失礼。」
ジェイクも大きくうなずいた。
「お前な、そのままだと一生独り身だぞ。それでいいのか?」
シュンゴはふと首を傾げた。
「、、、まあ、縁があればなるようになるでしょう。こういうのは期待しない方がいいんですよ。」
過ぎ去っていく2人の後ろ姿を見て、ジェイクは大きくまたため息をついた。
衛生問題の現場へ行く途中、リーセは少しソワソワしていた。
「、、、先生。」
「なんだい、リーセ?」
「、、、なんか少しワクワクしてきた気がする、不思議。」
「、、、それが技術者ってものだよ、リーセ。」
シュンゴは笑ってリーセにそう声をかけた。




