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妖狐、神楽坂文のコンサル譚09 【水の匣】  作者: 非常口どん八
第九章 仮説

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47/62

47 まるで、シャンパンタワーや、ステンドグラスのような美しさ




          (4)




 場面は変わって――

“それ”を、“見る者”の姿があった。

 そして、それは、


「……!?」


 と、“見る者”にとっても、驚きだった。

 水の匣――

 ……でなく、ピラミッド状で、なおかつミツウロコ模様のような、フラクタル立体。

 まるで、シャンパンタワーや、ステンドグラスのような美しさ。

 それが、夕闇の東京駅前の灯りを映し出し、ダイヤモンドのようにまばゆかった。

 これが、“水”でできた立体であることがわかる。

 そのようなものが突然に駅前に現れたという、いわゆる不可思議な怪現象でもあり、その場にいた者たちが皆してスマホカメラをかまえる。

 すると、SNSのタイムラインは即座に、“東京駅前の水のピラミッド”で溢れかえる。

 不可思議な現象にたいする騒動と、その考察。

 それから、そんなことはお構いなしに、ここぞとばかりにSNS映えのためにスマホカメラで撮る者たちなど、いかにもなSNSの野次馬である。

 そして、“見る者”も、

「わ、ぁ……」

 と、“作品としての美しさ”に、惹かれながらも、

「……」

 と、何かの予感がしていた。

 スマホ画面に映る、東京駅前、水のピラミッド――

 その中心が、こちらを“見ている”ようにもみえる。

 そうして


 ――ピ、ィィン……、ポーン……


 と、インターホンが鳴った。

「あっ……」

“見る者”が、声をあげた。

 待っていた人が、来たのだった。

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