↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖狐、神楽坂文のコンサル譚09 【水の匣】  作者: 非常口どん八
第八章 調査と停滞

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
40/62

40 仙人や仙女のように、オールドチャイナ風にもスタイリッシュに




          (2)




 ふたたび場面は戻って、中国の蘇州にて。

 まだ、後ろで、警察がアクア・キューブリック社の捜査をしている中、


 ――ブ、ツッ――


 と、カン・ロウンの電話が切れた。

 そのまま、

「ふぅ……」

 と、一息ついてスマホをしまっていると、キム・テヤンが、

「まったく、何だって? マーのヤツは?」

「何か、ソユンのことを心配して、かけてきてくれたみたいでね」

「ソユンを、心配してだと?」

「ああ……、ニュースで、観たらしくてね、意識不明と報道されていたみたいで」

「けっ……、全然、ピンピンしてんだろうが」

 と、舌打ちした。

「まあ、あの時、現場は混乱してたから……、情報が、錯綜してたんだろうな」

 カン・ロウンが言った。

 そんな、ふたりを見ながら、

「ふむ。のほほんと話しているが、これから、どうするのだ? ゴミ芥ども」

 と、妖狐が、サラリとゴミ芥よばわりして聞いてきた。

「あぁ”? 誰が、ゴミだってんだよ?」

 イラっとするキム・テヤンと、

「そう、ですね……?」

 と、それをスルーして、カン・ロウンが考える仕草をすると、

「このままいけば、現地警察――、中国の警察は、この、“アクア・キューブリック社の線”で、話を進めていくだろう」

「まあ、そいつは、勝手にしてくれよというところだが」

 と、妖狐の言葉に、キム・テヤンが答える。

 そのようにしながらも、

「しかし、まったく……、何も、手掛かりがつかめないな」

 と、カン・ロウンが、改めて言った。

 そのまま続けて、

「もし、異能力、魔法のような力だとすれば……、いったい、どんな……?」

 と、ひとり言ぎみに自答しつつ、皆にも投げかける。

「何か、できないの? タヌ、キツネさん?」

 ドン・ヨンファが、タヌキと呼びそうになるのを訂正しながら、妖狐に聞いてみた。

 ざっくりとした問いかけであり、何か文句だったり、嫌味を言われるかと思いきや、

「ふ、む……?」

 と、妖狐は、天を仰ぐしぐさをする。

 ひと呼吸、間をおいて、

 

「――まあ、そしたら、こっちにいる妖怪、魔人でも調べてやるか」


 と、言うとほぼ同時、


 ――ふ、わり……


 と、宙に浮いてみせた。

 床から、およそ5、6メートルほどの高さのところに、まるで仙人や仙女のように、オールドチャイナ風にもスタイリッシュに漂う妖狐。

 その姿に、

「「お、おぉッ――!?」」

「「何だ、何だぁッ――!?」」

 などと、警察たちから驚きの声があがる。

 まあ、妖狐と分かったうえでも、このように視覚的にも分かりやすく、大胆な事をされれば、驚くのも無理はないだろう。

 また、そこへ、

「おいおい? こっちの妖怪、魔人を調べるったぁ、」

「何か? 目ぼしい者でも、いるのですか?」

 と、キム・テヤンとカン・ロウンが、聞いてきた。

 妖狐と面識があり、また、これまでにも“超常的な存在”というのを調べてきたことから、空中を浮いて見せるくらいでは驚くことはない。


 それはさておき、

「――さ、あ? “それ”は分からんが……、何か、ざっくり水系の力、能力をもつヤツを調べれば……、何か、調査をすすめる手掛かりならないか、と思ってな」

 と、妖狐が、先の問いに答える。

「「何だよ、ざっくり水系って、」」

 とここは、キム・テヤンとドン・ヨンファのツッコミがそろう。

 また、妖狐が続けて、

「それに、私は、数十、数百キロ 短時間で移動して調べることができるようが、貴様たちは無理だろう」

「ま、あ」

 と、ドン・ヨンファが、「どゆこと?」の顔をしてうなづき、

「てか、そんな移動して、何すんだよ?」

 と、キム・テヤンが、「どゆこと?」と聞くも、

「まあ、いい……、貴様たちは貴様たちのほうでも、何か調べておくか、考えておくのだ、ゴミ芥ども」

 と、妖狐は聞いてないのか、答えるのが面倒くさいのか、ふたりの問いをはぐらかす。

 そうしながらも、


 ――ふ、わり――


 と、滞空していた妖狐は、動き出す。

 どんどん、高く浮いていく。

 そうして、天井高のある大空間の天井へと達すると、


 ――ぽ、ちゃん……


 と、天井が、まるで何か落として水しぶきを上げる水面のように、“エフェクト”する。

 まるで、CGのような、超常的光景――

 妖狐は、水面からダイビングするように、天井に消えて行ってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。