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乙女ゲーの辺境伯に転生したので奴隷落ちする悪役令嬢を金貨2万枚で救おうと思います(編集中)  作者: トンビが鷹を産んだトンビの方
第8章 帝国の大和撫子と英雄の末裔

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第248話 帝国への旅立ちの日

数日後 まだ日が昇り始めたばかりの早朝

ノルディア邸の正門前には一台の馬車が止まっていた

帝国まで向かうための馬車だ

荷台には旅に必要な荷物が積み込まれ

出発の準備はすでに整っている

レオンは最後に荷物を確認すると

ゼムへ視線を向けた


「忘れ物はないよな」


「はい ぼっちゃま 着替え 非常食 地図 水筒 予備の武器まで全て積み込んでおります」


「そうか ありがとう」


レオンは頷いた

その隣ではエミルも旅支度を終えていた

白銀の聖騎士団制服の上から白い外套を羽織り

腰には細身の剣を提げている

教国代表として そしてレオンの護衛としての姿だった

クロエは二人を見て笑う


「何だか本当に帝国へ行くんだって実感してきた」


「ああ 俺もそんな感じだ」


レオンは苦笑する

レオンにとってはこれが初めての国外への旅だった

しかも目的地は帝国

前世の記憶にも存在しない国

そして乙女ゲームの中でも詳しく描かれていない場所

どんな景色が待っているのか

少しだけ楽しみだった

ゼムが馬車の扉を開く


「ぼっちゃま 帝国まで十二日ほどございます どうかご無理だけはなさらないでください」


「ああ 邸は頼んだ」


「お任せください」


ゼムは深く一礼した

クロエもレオンの前へ歩み寄る


「レオン 気を付けてね 帝国は王国とは文化も違うんでしょ?」


「ああ でもルーカスもいるし ジークもいる そこまで心配はいらないと思う」


クロエは少しだけ安心したように笑った


「それなら良かった……でも帰ってきたら帝国の話をいっぱい聞かせてね」


「分かった 土産話ぐらいならいくらでもあると思う」


「約束だからね」


クロエは小さく笑う

その様子を見てエミルも優しく微笑んだ


「クロエさん 私もレオン君をしっかりお守りします」


「お願いします エミルさん レオンって危ないことになると周りが見えなくなる時があるから」


「おい」


レオンが苦笑する


「そこまでじゃないだろ」


クロエは即座に返した


「あるよ 何回助けに行ったと思ってるの」


「うっ……」


思い返してみれば

確かに否定できなかった

エミルは思わず笑みを零す


「ふふっ……安心してください 今回は私も同行しておりますので 無茶はさせません」


「頼もしいな」


レオンは笑った

ゼムはそんな三人を見守りながら静かに頷く


「それではぼっちゃま そろそろ出発のお時間です」


「ああ」


レオンは馬車へ乗り込む

続いてエミルも乗車した

御者が手綱を握る


「出発いたします」


馬がゆっくりと歩き始める

クロエは大きく手を振った


「いってらっしゃい!」


ゼムも静かに頭を下げる


「いってらっしゃいませ ぼっちゃま」


レオンは窓を開け 笑顔で手を振り返す


「行ってくる」


馬車はゆっくりとノルディアの街を抜け

帝国へ続く街道へ進んでいく

こうして ノルディアと帝国 両国の未来を懸けた旅が静かに幕を開けた

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