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乙女ゲーの辺境伯に転生したので奴隷落ちする悪役令嬢を金貨2万枚で救おうと思います  作者: トンビが鷹を産んだトンビの方
第2章 新しい領主と皇子
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第21話 改革の始まり

グレイムベア討伐から二週間

レオンの生活は大きく変わっていた

朝はまだ日も昇り切らない時間からルーカスとの剣術訓練

昼は辺境伯代行としての政務

夜はゼムとの魔術研究と訓練

レオンはとにかく忙しく過ごしていた

それでもレオンは弱音を吐かなかった

父を救えなかった

その後悔だけは今も胸に残っている

だから強くなる

領主としても

一人の人間としても

そのためなら多少の無理は構わなかった


そして今日ついに帝国からの荷が到着した

中庭には巨大な荷馬車が並んでいた

帝国の紋章の護衛兵が大量の武具を荷降ろししていた

ガレスは目を丸くしていた


「本当に届きましたな」


「約束したからな」


ルーカスは腕を組んだまま満足そうだった

荷台の布が外され現れたのは巨大な鋼鉄製の大盾と重鎧

帝国軍正式の大盾と武具は普通の盾より一回りどころか二回りは大きい

そして軽く強度も王国より上だった

騎士達からどよめきが上がった


「でかいな……」


「これを持って戦うのか?」


レオンは大盾を軽く叩く

ゴーンと鈍い金属音が響いた


「よし、ゼム、ガレスこの後執務室に来てくれ」


そしてレオンは執務室へ向かった

説明する時が来たのだ


コンコン


「入れ」


しばらくして扉が開く

入ってきたのはガレス、ゼムそして

当然のようにルーカスだった

レオンは固まる

ルーカスを数秒見つめた

そしてゆっくり口を開いた


「……ルーカスくん?」


ガレスが吹き出しゼムも咳払いで誤魔化している

だがルーカスだけが首を傾げていた


「何だ?」


「いや何だじゃないんだよ!」


レオンは額を押さえる


「これから騎士団の会議なんだけど?」


「知っている」


「国境領の軍事関係なんだけど?」


「知っている」


「帝国皇子なんだけど?」


「そうだな」


どうやら話が通じない

レオンは天井を見上げた


「ルーカスくん?」


「何だ?」


「君は普通、席を外すんだ」


「何故だ?」


本気で聞いていた

ガレスが肩を震わせる

ゼムは既に諦めている

ルーカスは腕を組み当然のように言った


「俺はその大盾で何をするのか気になる」


即答だった

レオンは深いため息を吐いた


「気になるだけで居座るなよ……」


「気になる」


「子供か」


「お前も子供だろう」


「そうだった」


ついにガレスが笑い出した

執務室の空気が少しだけ和らぐ

ルーカスは真面目な顔のままだった

本当に気になっているだけらしい

レオンはしばらく考えた

どうせ数日後には分かる事だ隠すほどの内容でもない

何よりルーカスとはこの二週間で討伐も共にした

今更だった


「……もう好きにしてください」


「そうか」


ルーカスは満足そうに頷いた

そして席に座る

ガレスが苦笑する


「若様諦めましたな」


「もう諦めました」


レオンは机の上へ資料を広げたら

過去五年分の討伐記録だ

死傷者数

見舞金支出

騎士団運営費

そして帝国製大盾の図面


「では始める」


空気が変わる

先ほどまでの軽い雰囲気が消えた

レオンの領主の顔になっていた


「まず結論から言うと、新人兵を前衛から外す」


レオンは力強く資料を叩いた

ガレスの目が見開かれゼムも驚いていた

ルーカスだけが黙って続きを待っている


「そしてこの大盾を」


レオンは図面を指差した


「ベテラン兵達に持たせる」


その一言からノルディア騎士団改革が始まった

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