第199話 帝国皇子来訪
三日後
冬の朝 雪が静かに降る中
ノルディア邸の正門前には騎士達が整列していた
先頭にはレオン
その一歩後ろにゼム ガレス リック クロエ フローラ
そしてエミルが並ぶ
全員が街道の先を見つめていた
しばらくすると騎士が大きな声を上げる
「馬車が見えました!」
街道の先から数台の馬車がゆっくりと姿を現す
先頭の馬車には帝国皇室の紋章
その後方には護衛の騎士達が続いていた
やがて馬車は正門前で静かに止まる
馬車の扉が開いた
最初に降りてきたのはルーカスだった
レオンを見るなり笑みを浮かべる
「久しぶりだな!」
レオンも笑みを返す
「久しぶり」
二人は軽く拳を合わせた
「元気そうだな」
「そっちもな」
ルーカスは笑いながら肩を叩く
「ちゃんと強くなったか?」
「毎日鍛えてるよ」
「それは楽しみだ」
その時だった
後ろの馬車から一人の青年が降り立つ
艶のある銀髪
知性を感じさせる翡翠色の瞳
細身の体格ながら
一歩踏み出すだけで周囲の空気が引き締まる
帝国第一皇子 ジークハルトだった
レオンは一歩前へ出る
「ようこそノルディアへ 帝国第一皇子ジークハルト殿下 帝国第二皇子ルーカス殿下」
ジークハルトは穏やかに微笑む
「歓迎に感謝する 突然の訪問にもかかわらず迎えていただき礼を言う」
レオンは首を横へ振る
「ルーカスとは約束していましたから 歓迎するのは当然です」
その言葉にジークハルトは小さく頷いた
「なるほど……ルーカスの言うとおりの人物だ」
ルーカスは苦笑する
「だから言っただろ?変な奴だけど悪い奴じゃないって」
レオンは苦笑した
「変な奴は余計だ」
そのやり取りに周囲の空気が少し和らぐ
ジークハルトは後方へ目を向けた
「護衛も長旅で疲れている 先に馬の世話を頼めるだろうか?」
「もちろんです」
レオンはリックへ視線を向ける
「リック 案内を頼む」
「了解です」
リックは帝国の騎士達へ一礼した
「こちらへどうぞ」
帝国の騎士達は頷き
リックの案内で厩舎へ向かっていく
ジークハルトはその様子を見届けると
改めてレオンへ向き直った
「では 改めて世話になる」
レオンは笑みを浮かべた
「こちらこそ 歓迎します」
こうして
帝国第一皇子ジークハルト
帝国第二皇子ルーカス
二人の皇子を迎えたノルディア邸は
新たな数週間を迎えることとなった




