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乙女ゲーの辺境伯に転生したので奴隷落ちする悪役令嬢を金貨2万枚で救おうと思います  作者: トンビが鷹を産んだトンビの方
第2章 新しい領主と第二皇子
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第20話 レオンの新しい実力

ブックマーク増えてアクションもありがとうございます

やる気に繋がりました!

あとお酒呑みながら書いてたので凄い事になってました

確認しながら喉乾いたのでお酒呑みました

確認の意味がないですね笑



グオオオオオオオオオ!!


二体のグレイムベアが同時に咆哮し森がさらに揺れた

木々の葉が震え普通の人間なら足が竦む

だがここにいるのは違う

ノルディア騎士団の精鋭そしてあの北の戦神の息子だ

誰一人退かなかった


「ガレス!」


レオンが叫ぶ。


「バカ皇子と傷付いた方を任せた!」


「はっ!」


ガレスが馬から飛び降り大剣を抜く

その後ろへエルン、ハンス、ドークと三人が続いた

リックも降りて行こうとすると後ろからレオンに呼び止められた


「リック!」


「お、おう!」


「俺の援護を!」


「任せろ!」


役割は一瞬で決まった

騎士達が動く指示に動く

ルーカスは目を見開いた

連携がよく判断が早いオマケに指示が的確だった

レオンの指示に誰も迷わない

まるで何年も共に戦ってきた部隊だった

そして実際そうだった

洞窟まで何体もの魔獣を相手をしてきたメンバーだ

数々の討伐

死線

何度も越えてきたのだ

だから信用ができ連携できる


傷付いたグレイムベアが突進する

ガレスが前へ出て大剣を構える


「来い!」


轟音と共に大剣と爪がぶつかる

人と魔獣本来なら勝負にならない

だがガレスは止めた

あの巨体を真正面から受けたのだ

地面が抉れる足が沈むそれでもガレスは耐える

すかさずガレスが叫ぶ


「エルン!」


「はい!」


エルンが横へ回り込みグレイムベアの脇腹に剣を叩き込んだ

グレイムベアの脇腹が裂け鮮血が飛び散った

咆哮し怒り狂う魔獣そこへドークが飛び込んだ


「おおおおおおっ!!」


大斧が振り下ろされる骨を砕く音が響く

前脚が大きく揺れバランスが崩れた

そこをハンスが見逃さなかった

喉元へ突きを放つ

グレイムベアの喉元から鮮血が噴き出した


一方無傷のグレイムベアは敵と判断し突進してきた

向かったのはレオンとリックの方である


「若様、普通逆じゃなかった?こっちおっきいし無傷だよ?」


リックがレオンに問う

レオンは静かに頷く


「大丈夫だ」


その瞬間グレイムベアが飛び掛かる

巨大な影

圧倒的な質量

だがレオンの右目が淡く輝いた

【未来予知の魔眼】を使い一瞬先の光景が脳裏を走る


「リック左へ!」


レオンが叫ぶ

リックが即座に飛び退き巨大な爪が空を切った


「今だ!」


リックの矢が放たれる


リックは弓の名手だこの近接では当てるのは容易い

しかしグレイムベアは首を振る矢を交わした

矢は頬を掠めただけだった


「クソ!」


珍しくリックが悔しがる

グレイムベアが咆哮し再び突進してきた

レオンは動かない

右目の痛みを堪える更に魔力を流し込んだ


(見える)


次の動きがその次も


「リック俺の三歩前を狙え!」


レオンがグレイムベアへ走り出す


「おい、伏せろ!」


レオンに向い矢が飛ぶ

そしてレオンはしゃがんだ事によりレオンの頭上を通り過ぎグレイムベアの右足へと刺さる

矢はレオンによりグレイムベアの視界を遮ていたのだ

そしてレオンは剣を抜いた


「そこだ」


魔眼が捉える

魔獣の急所

力の流れが全てが線となって見えた

剣が光り氷が纏う

レオンが踏み込み一閃を放つ

次の瞬間グレイムベアの首筋に細い線が走った

一拍遅れて巨体が止まる

そして首が滑り落ちた

轟音と共に巨体が倒れた

無傷のまま圧倒的な一撃だった


後ろは既にグレイムベアは倒れ戦闘が終了していた

ガレス達が仕留めたのだ

森に風だけが吹く


「終わったか」


ガレスが剣を振るい血を払う

ドークは座り込んでいた


「疲れた……」


「お前は斧を振っただけだろ」


ハンスが呆れる

エルンが苦笑した

いつもの光景だった

そして全員の視線が一人へ向く

黒髪の12歳の少年レオンに

当の本人は平静を装っていた

だが右目の奥が焼けるように痛む


「若様……今のは」


リックが驚いた顔で呟く

レオンは苦笑した


「運が良かったよ」


誰もその言葉を信じなかった

ルーカスは真面目な顔になり周囲を見た

倒れた魔獣

連携する騎士達

そしてレオン


「……なるほどな」


ぽつりと呟く


「何がです?」


レオンが首を傾げるとルーカスは少し考えその後静かに言った


「お前が大盾を欲しがった理由、少し分かったかも知れない」


レオンの目が僅かに開く

ルーカスは笑った

初めて見た昨日までとは違う笑みで呟いた


「面白いな」


それは実力への評価ではない考え方への評価だった

ルーカスは理解したレオンは父とは違う

北の戦神は剣で領地を守った

だがレオンは違う

人を生かすことで守ろうとしている

その違いに気付いたのだ

その時だった


ズキッ!



レオンの右目に激痛が走る思わず目を押さえる

未来予知の魔眼での無理な使用の代償


「若様?」


ガレスが気付くがレオンは首を振った


「何でもない」


嘘だった

頭が割れそうに痛い視界も少し霞む、だが今は言えない

まだこの力の正体も分かっていない

ルーカスがその様子をじっと見ていた

そして何も言わない代わりに口元を僅かに上げる


「ますます気になった」


レオンは嫌な予感しかしなかった

そしてその予感は大体当たるのである

こうして帝国第二皇子ルーカス・ヴァルハイトのノルディア滞在はもう少し長引くことになったのだった

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