表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
乙女ゲーの辺境伯に転生したので奴隷落ちする悪役令嬢を金貨2万枚で救おうと思います  作者: トンビが鷹を産んだトンビの方
フェルナードの聖女と覚悟

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

202/305

第181話 黒マントの魔法

レイモンドは執務室へ入ると静かに扉を閉めた

部屋にはレオンと二人だけ

窓から差し込む夕日が執務机を照らしている

レイモンドはレオンへ一礼した


「改めまして この度はフェルナード家を救っていただき 誠にありがとうございました」


レオンは軽く首を横へ振る


「礼はいい……それより黒マントについて何か分かったか?」


レイモンドは頷き

一枚の報告書を机へ置いた


「現場を調査した結果 幾つか気になる点がございました」


レオンは報告書へ目を向ける

レイモンドは説明を始めた


「まず 地面の一部が高熱によってガラス化しておりました 土や岩が溶け冷えて固まった跡が確認されております……相当な高温だったと考えられます」


レオンは黙って続きを促した


「そしてカミュさんとマリナさんを誘拐した傭兵達ですが 遺体は一体も発見されておりません 骨もありません血痕も残っておりませんでした……武具につきましても全て炭となって崩れておりました」


レイモンドは報告書を閉じる


「ここまで徹底して焼き尽くす火属性魔法は私も初めて目にしました」


執務室に静寂が流れる

レオンは腕を組み

静かに考え込んだ


「……誰だ?」


その一言にレイモンドもゆっくり頷く


「ここまでの火属性魔法を扱える人物となりますと私が思い当たるのは一人だけです」


レオンは視線を向ける


「ヴィクトリア・アルカディア様……………………王国宰相オズワルド・アルカディア公爵のご子息にして グラニウス様の次世代最強と謳われた火属性魔導師です」


レオンは静かに息を吐いた

確かにその名が挙がるのは不思議ではない

だがレオンは首を横へ振る


「いや……根拠がなさすぎる 魔法だけで決めつけるのは危険だ」


レイモンドも静かに頷く


「私も同意見です 現状ではあくまで推測に過ぎません ヴィクトリア様が関与している証拠は何一つございません」


少し沈黙が流れる

レオンはふと思い出したように口を開いた


「もう一つ聞く 何故カミュさんとマリナさんを誘拐したと思う?」


レイモンドは少し考え

静かに答えた


「私の権威を失墜させるためでしょう」


レオンは続きを促す


「どういうことだ?」


「カミュさんとマリナさんを拘束し フローラが平民の娘であることを公表する そうなればフローラが私の養女であることも明るみに出ます」


レイモンドは静かに続けた


「私は跡継ぎがおりません……そのため国王陛下より賜ったフェルナード伯爵の爵位は将来フローラが継ぐ予定です ですが養女であることが大きく取り上げられれば『爵位を継ぐ資格はない』『あの跡取りは偽物だ』そう主張する者が現れるでしょう……爵位継承の正当性が揺らげば私の権威も失われます そして革新派の弱体化にも繋がる」


レオンは小さく頷いた


「筋は通ってるな」


レイモンドは静かに息を吐く


「もちろん 全て推測です 証拠は何一つございません ですが現時点では最も可能性が高いと考えております」


レオンは少し考え込んだ後

静かに口を開く


「当面は王権派の動きを注視しよう 今回の件が本当に派閥争いなら必ず何か動きがあるはずだ」


レイモンドは深く頷く


「承知いたしました フェルナードでも情報収集を続けます」


二人は互いに頷き合った

黒マントの正体は依然として闇の中だった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ