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乙女ゲーの辺境伯に転生したので奴隷落ちする悪役令嬢を金貨2万枚で救おうと思います  作者: トンビが鷹を産んだトンビの方
フェルナードの聖女と覚悟

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182/305

第161話 見なかったこと

ランキングが77位になってました

本当にびっくりしてます

ブックマークもかなり増え

最初の三人で大喜びしていた自分には少し心臓に悪いです 笑

これからも宜しくお願いします

ブックマークやリアクションありがとうございます


レオンはレイモンドとの話を終え

客室へ続く廊下を歩いていた

思っていた以上に話が長引いた

保温箱の真空の事

革新派の勧誘

聖女との婚約の話

予想外の話ばかりだった


「長引いたな……」


小さく呟く

保温箱の話はまだクロエにも聞かせていない

商人としての意見も聞いておきたい


「後でクロエとも相談しないとな」


そう考えながら客室の前へ辿り着く

その時だった 部屋の中から声が聞こえてきた


「…………っつーの!」


レオンは足を止める


「……?」


クロエが戻ったのかと思いそのまま扉を開けた


ガチャ


レオンは用意された客間の扉を開くとそこには ベッドへうつ伏せになり 枕へ顔を埋めているフローラの姿があった

レオンは思わず動きを止める

だがフローラは全く気付いていない


「まあ……顔はいいけど」


枕へ顔を埋めたまま呟く


「でも男は強くなくちゃ意味ないっつーの?!」


勢いよく上半身を起こした


「もう!マジでやってらんねー!!」


その瞬間 フローラが振り向き目が合った


「…………」


「…………」


二人の視線が合う

部屋の空気が凍り付いた

レオンは何も言わない

静かに扉を閉める


ガチャ


廊下へ出たレオンは思わず天井を見上げた


「……今の あの聖女だよな?」


昼間に見た 清楚で穏やかな伯爵令嬢

原作ではアレクやセリオス達と選ばなかった攻略対象と結ばれる一人だったはずだ


「……見間違いじゃないよな」


小さく息を吐に気を取り直し

軽く扉を叩いた


コンコン


「レオンだ」


「………………どうぞ」


先程とは打って変わり

透き通るような穏やかな声が返ってきた

レオンが部屋へ入ると そこには姿勢良く立つフローラの姿があった

フローラは優雅に一礼する


「お待ちしておりました レオン様」


何事も無かったかのようだった

フローラは穏やかな笑みを浮かべたまま尋ねる


「レオン様……先程 目が合いましたよね?」


レオンは首を傾げる


「さて 何のことだろう?」


フローラは困ったように笑う


「でも……私と目が合いましたよね?」


レオンは平然と答えた


「俺は今来たばかりだ……何か勘違いしてないか?」


フローラはしばらく黙り込む

やがて静かに頭を下げた


「……ありがとうございます」


レオンはその一言で全てを理解した

本人も無かったことにしたいのだろう


(よし!見なかったことにしよう)


レオンは心の中でそう決めた

何事も無かったかのように二人は席へ腰を下ろした

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