表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
乙女ゲーの辺境伯に転生したので奴隷落ちする悪役令嬢を金貨2万枚で救おうと思います  作者: トンビが鷹を産んだトンビの方
フェルナードの聖女と覚悟
168/274

第147話 出発の日

朝靄がノルディアの大地を優しく包んでいた

東の空はゆっくりと白み始め

山々の向こうから朝日が少しずつ姿を現す

冷たく澄んだ朝の空気が頬を撫で

鳥達のさえずりが静かな領地へ響いていた

春を過ぎ夏が近付いたノルディア

木々は鮮やかな緑に染まり

朝露を纏った草花が朝日に照らされて輝いている

そんな穏やかな朝とは対照的にノルディア邸では早朝から慌ただしく人々が動いていた

使用人達は旅に必要な荷物を何度も確認し

騎士達は剣や鎧を点検していく

厩舎では走竜達が元気よく鳴き声を上げ

御者達は手綱や荷車の最終確認を行っていた

正門前には三台の竜車が整然と並ぶ

一台目はレオン達が乗る竜車

二台目と三台目にはボア肉とポーションとハイポーション

そして商談で使用する資料や旅に必要な荷物が積み込まれていた

今回同行するのはリックそして騎士十名 総勢十三名

フェルナード領まで約十日

長旅の準備はすでに整っていた


「積み荷の確認終了しました!」


騎士の声が正門前へ響く

リックは荷台を一つずつ見回り大きく頷いた


「問題ない」


「いつでも出発できます」


その時ノルディア邸の玄関扉が静かに開いた

黒髪を朝日に照らしたレオンが姿を現す

辺境伯家の紋章が入った外套を羽織り

腰には愛剣を提げていた

その後ろからクロエも姿を見せる

いつもの迷彩柄のマントを羽織り

大きな鞄を肩へ掛けていた

レオンが周囲を見渡す


「おはよう」


その一言で騎士達は一斉に姿勢を正した


「おはようございます!」


力強い声が朝の空へ響き渡る

ゼムがレオンの前まで歩み寄り深く一礼した


「ぼっちゃま 出発の準備は全て整っております 領内の仕事は私とエミルさんで責任を持って進めますので ご安心ください」


レオンは静かに頷く


「頼んだ」


「かしこまりました」


続いてエミルが歩み寄る


「レオン君 こちらをお持ちください」


差し出された小さな木箱の中には二本の秘薬が入っていた

レオンは木箱を受け取り大切に荷物へしまう


「ありがとう 残りは教国へ送くってくれ」


エミルは穏やかに微笑んだ


「はい セリオス様もきっと安心されると思います」


クロエは荷台を確認しながら振り返る


「レオン 商談資料も契約書も全部積み終わったよ 手土産も準備できてる」


レオンは笑みを浮かべる


「ありがとう 今回の商談はクロエが頼りだ」


クロエは少し照れながら笑った


「任せて 絶対成功させるから」


そこへリックが歩み寄る


「旦那 護衛の配置も終わりました 街道に問題がなければ十日ほどでフェルナード領へ到着できる見込みです」


レオンはゆっくりとノルディア邸を見渡した

忙しく働く使用人達

見送りに集まった騎士達

父グラニウスが命を懸けて守り続けた領地

そして自分がさらに豊かにすると誓った領地

レオンは静かに頷く


「それじゃあ行こう!フェルナード領へ」


「「「はっ!」」」


力強い返事が響く

走竜達が一斉に走り始め

三台の竜車は朝日に照らされながらノルディア邸を後にした

ボア肉の販路拡大

ポーションの販路開拓

そして 教国との交易をさらに発展させる新たな道を探すため

レオン達を乗せた竜車はフェルナード領へ向けて力強く走り始めた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ