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乙女ゲーの辺境伯に転生したので奴隷落ちする悪役令嬢を金貨2万枚で救おうと思います  作者: トンビが鷹を産んだトンビの方
第二章 新しい領主と新しい出会い

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第14話 辺境伯の仕事

ブックマークの人数見るところ初めてみた

1人も居ないと思ってたけど……ありがとうございます

頑張ります

グラニウス・ノルディアの葬儀から七日が過ぎた

辺境伯家の執務室

かつて父が座っていた席に、今はレオンが座っている

大きな机に大きな椅子

十二歳の身体にはまだ少し大きすぎた

もちろん正式な辺境伯ではない王都での任命式はまだ先だ

今の肩書きは辺境伯代行それでも領地は待ってくれない


税収

騎士団

備蓄

街道

孤児院

魔獣被害

山のような書類が机の上へ積まれていた

レオンは一枚を手に取る

数秒で判断をして判を押す

次は修正指示

次は備蓄要望

次は決裁

紙をめくる音だけが執務室に響く

その様子を見ていたゼムが首を傾げた


「おぼっちゃま、本当に確認しておられますか?」


レオンの手が止めゆっくり顔を上げた


「おい、ゼム」


少しだけ呆れた顔になる


「もうおぼっちゃまはやめてくれないか?」


辺境伯を代行して一週間何度も言っている

だがゼムは全く直す気がない


「いやいや、まだまだ代行ですのでおぼっちゃまです」


「代行とはいえ領主代理だぞ?」


「ですが十二歳のおぼっちゃまです」


「代理だ」


「おぼっちゃまです」


しばらく睨み合う

そして先に折れたのはレオンだった


「……好きにしてくれ」


「はい、おぼっちゃま」


ゼムは満面の笑みだった

レオンは深くため息を吐く

この老人だけは本当にどうしようもない

父ですら諦めていたのだから


「それで……確認しているか、だったな」


レオンは話を戻し一枚の報告書を持ち上げた


「これは」


指を指した所に赤線が引いてある


「同じ内容が三回書かれている」


ゼムが確認する

本当だった

レオンはさらに別の書類を手に取りゼムに渡す


「これは昨年の収支と計算が合ってない」


「これは輸送費が二重計上されている」


それをゼムが確認していった


「それで余った予算を孤児院の冬用毛布を追加購入にする」


ゼムは言葉を失った

速すぎるそして正確すぎる

普通なら文官が何日もかけて確認する内容を数秒で見抜いている


「どうやっておられるのですか……」


思わず本音が漏れた

レオンは苦笑する


前世の神谷光一

平凡なサラリーマンだったが十年以上、毎日のように書類に埋もれていた

報告書

稟議書

契約書

会議資料

予算書

見積書

嫌になるほど確認させられた

数字の違和感、文章の重複、計算ミス

そんなものを探すのが仕事だった

当時は地獄だったが今だけは感謝している


「まさか異世界で残業経験が役立つとは……」


ぽつりと呟く


「残業?」


「いえ、何でもない」


ゼムは首を傾げたが追及はしなかった



昼過ぎには机の上の書類は既に半分以下になっていた

ゼムは改めて思うグラニウスも優秀な領主だった

だが目の前の12歳の新しい領主は方向性が違う

閣下は現場を見る人だった

自ら剣を握り最前線に立ち領民を守った武人の領主

だがレオンは違う数字を見て問題を見つけ改善策を考える

政務で領地を守る人間だ

同じ辺境伯家の当主でも戦い方が違っていた

そんなことを考えていると、レオンが窓の外を見た

視線の先は丘の上のグラニウスの墓がある場所

今日も人がいる皆が花を持って墓参りへ訪れていた

葬儀は1週間前に終わったそれでも花は増え続けている

レオンは静かに見つめていた

ゼムはお茶の用意をしに執務室を後にした

小説の文書とかもレオンに頼みたいと思いながら書いてました笑

間違えがあればごめんなさい

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