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乙女ゲーの辺境伯に転生したので奴隷落ちする悪役令嬢を金貨2万枚で救おうと思います  作者: トンビが鷹を産んだトンビの方
第5章 白銀の聖剣と秘薬
131/264

第116話 王の耳へ

一旦更新をやめて

過去の投稿の誤字脱字

設定など修正しようと思います

1日1話or2話ペースに戻ります

すいません

夜会が終わった頃王城の執務室ではエルグランド国王が書類へ目を通していた

コンコンと静かなノックが響く


「入れ」


扉がゆっくりと開く

入室したのは王国宰相のアルカディア公爵だった

六十五歳

長い年月を感じさせる白髪

顔には深い皺が刻まれている

だがその瞳だけは少しも衰えていない

王国を半世紀近く支え続けてきた老宰相

国王から最も信頼される男だった

アルカディア公爵は一礼する


「失礼いたします」


国王は書類を閉じた


「夜会帰りに悪いな」


「構いませぬ 陛下のお呼びとあらば 老骨などまだ休めませぬ」


国王は小さく笑う


「その老骨に王国は支えられている まだまだ働いてもらうぞ」


公爵も小さく頷いた


「お任せください」


国王は椅子へ深く腰掛ける


「それで……夜会はどうだった?」


公爵は姿勢を正した


「大きな混乱はございません ですが一つ興味深い話がございました…………ノルディア領でございます」


その一言で国王の目が細くなる


「グラニウスの倅か……」


「はい」


「ボア肉事業に続き 教国と共同でポーション事業を始めるそうです 教国から監査役も派遣され 事業開始前の監査も終了しております」


国王は静かに腕を組んだ


「慈愛の聖人セリオスがそこまで動くのか……」


「はいさらに 教国との交易も始まる見込みとのことです」


国王は静かに笑う


「父とは違う形で領地を発展させているようだな」


公爵も頷いた


「夜会でも 父は武 息子は商 そのような話が多く聞かれました」


少し間を置き再び口を開く


「もう一つございます」


「申せ」


「グラニウス・ノルディアの弔問の際 帝国第二皇子ルーカス・ヴァルハイトがノルディア領を訪れております」


国王の表情が僅かに変わる


「……帝国の若き剣がか?」


「はい」


「表向きは弔問です ですがレオン・ノルディアと親交を結んだとの報告が上がっております」


執務室に静寂が流れる

国王はゆっくりと立ち上がり

窓の外を眺めた


「教国とは共同事業 帝国とは皇子が親交を結ぶか……実に面白い」


公爵は続ける


「幸い 第二皇子は友好的な人物です 現時点で王国へ害を及ぼす動きは確認されておりません」


国王は静かに頷く


「なら問題はあるまい ノルディアは帝国との国境を守る辺境 交流が生まれること自体は不思議ではない

 だが…教国と帝国二国との繋がりを持ち始めたことは覚えておくべきだ」


「はっ」


公爵は深く一礼した

しばらく沈黙が流れる

やがて国王は静かに呟く


「グラニウス……お前の倅は思っていた以上に面白い男になりそうだ」


老宰相は何も答えない

ただ静かに一礼し執務室を後にした

王都では今一人の若き辺境伯が少しずつ王国全土の注目を集め始めていた

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