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乙女ゲーの辺境伯に転生したので奴隷落ちする悪役令嬢を金貨2万枚で救おうと思います  作者: トンビが鷹を産んだトンビの方
第5章 白銀の聖剣と秘薬
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第113話 運送計画

孤児院での監査を終えた一行はノルディア城の執務室へ戻っていた

机の上にはクロエがまとめた資料が並べられている

運送商会との契約書

輸送経路

積載量

出発日

全て綺麗に整理されていた

エミルは資料を手に取り一枚ずつ丁寧に確認していく

しばらくして資料を閉じた


「運送計画につきましても現時点で問題ございません」


クロエは安心したように笑う


「良かった」


レオンも頷いた


「これで事業を始める準備は整いましたね」


「はい」


エミルも微笑んだ

その時だった

レオンが何かを思い出したように口を開く


「一つ提案があります」


三人がレオンを見る


「教国へ使用料を運ぶ馬車ですが 教国の紋章を掲げることは出来ませんか?」


エミルは少し驚いた


「理由をお聞きしてもよろしいでしょうか?」


レオンは静かに頷く


「使用料は教国へ納めるお金です つまり 神へ捧げる献金でもあります 教国の信者なら神へ捧げるお金を盗もうとは考えません」


レオンは指を立て話を続ける


「盗賊も教国そのものを敵に回すような真似は避けるでしょう 護衛を増やすより抑止力になると思います」


エミルは静かに目を見開いた

そこまで教国という国を理解しているとは思っていなかった

やがて優しく微笑む


「素晴らしいご提案です 教国としても異論はございません セリオス様も許可してくださると思います」


ゼムも頷いた


「教国の紋章ほど頼もしい護衛はございませんね」


レオンも笑顔を見せる


「では その方向で進めましょう」


その時クロエが資料を見ながら口を開いた


「それとさ……お金だけだと馬車に空きがあるよね?せっかく教国まで行くんだから 帰りは穀物の保存の利く食べ物を積んで帰りたいんだ……商人は馬車を空いたまま走らせるのは勿体ないから 往復どちらも荷物を積んでこそ利益になるんだ」


レオンも頷く


「確かに帰りを空にする理由はないな」


エミルは少し考えて答えた


「ノルディアに輸出 自体は可能ですが その際 関税が発生いたします」


クロエは腕を組む


「やっぱりそこか……」


するとエミルは続けた


「ですが 一つ方法がございます」


全員の視線が集まる


「金銭だけで取引するのではなく 物資同士を交換するのであれば 関税の負担を抑えられる可能性がございます」


クロエの目が輝く


「物々交換?」


「はい」


「例えばノルディアのボア肉と教国の小麦やお米そして じゃがいもなどを交換する形です 教国は農業が盛んな国です ですが 肉は決して多くありません 双方に利益のある取引になるでしょう」


ゼムも静かに頷いた


「互いに不足している物を補う 理想的な交易でございます」


レオンも納得する


「悪くない案ですね それもセリオスさんへ相談してみましょう」


エミルは微笑んだ


「きっと前向きにご検討くださると思います」


こうしてポーション事業だけではなく

教国との新たな交易も少しずつ形になり始めていた

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