第111話 栽培の監査
朝食を終えた後 レオン達は孤児院へ向かっていた
同行しているのは
エミル
クロエ
ゼムの三人だった
今日の目的は事業開始前最後の監査
魔力草の栽培場所を確認することである
馬車が孤児院へ到着するとシスターが出迎えた
「お待ちしておりました レオン様」
レオンは軽く頭を下げる
「今日は監査です 少し畑を見せてください」
「もちろんです」
シスターは微笑み 一行を畑へ案内した
孤児院の裏手
そこには綺麗に区画分けされた畑が広がっていた
魔力草はまだ植えられていない
だが いつでも栽培を始められるよう準備は整っている
エミルは畑をゆっくり見渡した
「こちらが栽培予定地ですね」
「はい」
レオンは頷く
「事業開始までは管理だけを続けています」
エミルは土へしゃがみ込み
手に取って確かめる
湿り気
柔らかさ
石の量
一つずつ丁寧に確認していく
続いて畑の端へ歩いた
「こちらが湧水ですか」
「ええ」
クロエが頷く
「ここから毎日運ぶ予定だよ」
エミルは水にも目を向ける
「管理方法は決まっておりますか」
ゼムが一冊の帳簿を差し出した
「こちらでございます」
エミルは帳簿を開く
そこには土の管理や湧水の管理
魔獣の血を混ぜる予定日
担当者など全て細かく記されていた
一枚ずつ丁寧に目を通す
しばらくしてエミルは帳簿を閉じた
「管理体制に問題はございません 担当者も明確ですので監査もしやすい形になっております」
レオンは安堵したように笑う
「ありがとうございます」
クロエも胸を撫で下ろした
「良かった」
エミルは再び畑を見渡す
「一つ確認ですが 収穫後の保管場所は決まっておりますか」
「はい」
レオンは頷いた
「孤児院の倉庫を改装しております 収穫後はすぐそちらへ運びます」
「なるほど」
エミルは満足そうに微笑む
「運搬距離も短く管理もしやすいですね」
ゼムも頷く
「盗難防止のため 鍵は私とシスターが管理いたします」
「承知いたしました」
エミルは最後に畑を一度見渡した
そして静かに頷く
「栽培予定地につきましては現時点で問題ございません」
その言葉にレオン達も安堵する
エミルは帳簿を閉じると
穏やかに微笑んだ
「それでは次にポーション製造拠点を確認いたしましょう」
一行は畑を後にし
孤児院の建物へ向かった。




