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乙女ゲーの辺境伯に転生したので奴隷落ちする悪役令嬢を金貨2万枚で救おうと思います  作者: トンビが鷹を産んだトンビの方
第5章 白銀の聖剣と秘薬
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第108話 教国式と王国式

模擬戦を終え騎士達は休憩へ入っていた

訓練場には笑い声が響いている

ガレスは水を飲み

エルンは若い騎士達へ助言を送っていた

レオンはその様子を見ながら微笑む


「皆よく頑張ってるな」


「はい」


ガレスも満足そうに頷いた

その時だった

リックが何度も深呼吸を繰り返していた


「どうした?」


エルンが声を掛ける


「いや……ちょっと覚悟を決めようと思って」


「覚悟?」


リックは大きく息を吸う

そして真っ直ぐエミルの前まで歩いて行った

周囲の騎士達も何事かと視線を向ける

レオンは嫌な予感しかしなかった

リックは勢いよく頭を下げる


「エミルさん!……俺と!……お付き合いしてください!」


訓練場が静まり返る

エルンは額へ手を当てた


「何を言い出すんだ……あいつは……」


ガレスも苦笑する

一方 エミルは真剣な表情で頷いた


「……分かりました」


そう言って腰の木剣を静かに抜く

スッと切っ先をリックへ向けた


「では……よろしくお願いいたします」


「……へ?」


リックは固まった

エミルは首を傾げる


「模擬戦のお誘いではなかったのですか?」


「え?」


「え?」


二人とも固まる

数秒後


「ぶっ!」


レオンが吹き出した


「はははは!」


ガレスも豪快に笑う


エルンは深いため息を吐いた


「リック……お前は本当に期待を裏切らないな」


周囲の騎士達も一斉に笑い出した


「ははは!」


「流石リック!」


「またやった!」


顔を真っ赤にしたリックは慌てて首を振る


「ち、違います!……恋人としてです!」


エミルは少し驚いた表情を浮かべ

静かに木剣を鞘へ納めた


「そういう意味でしたか……失礼いたしました」


ガレスが一歩前へ出る


「エミル殿」


「はい」


「せっかく剣を抜かれたことです 代わりに私がお相手願えませんか?」


エミルは静かに一礼した


「喜んで」


ガレスも木剣を構える


「では……胸をお借りします」


その瞬間だった

リックの視線がエミルの胸へ向く


「お、お胸!?」


一瞬静まり返る

そして訓練場は再び大爆笑に包まれた


「はははは!」


「違う!」


ガレスが笑いながら突っ込む


「その胸じゃない!」


エルンは額を押さえた


「リック……お前は本当にどうしようもないな」


リックは真っ赤になりながら叫ぶ


「だ、だって!胸って言うから!」


ガレスは笑みを収め

エミルへ向き直る

そして深く頭を下げた


「エミル殿うちの者が大変失礼いたしました 女性に対して失礼な発言でした 団長である私からお詫び申し上げます」


リックも慌てて頭を下げる


「す、すみませんでした!」


エミルは少し驚いたように目を瞬かせる

そして優しく微笑んだ


「お気になさらないでください 悪気がないことは分かっておりますので」


その言葉にガレスは安堵したように頷く


「ありがとうございます」


レオンはまだ笑いを堪えながら前へ出た


「…そ…それじゃあ…………始め!」


ガンッ!!と開始の合図と同時にガレスとエミルの木剣が激しくぶつかり合った

ガレスが力強く踏み込む

エミルは軽やかに受け流す

次の瞬間 エミルの姿が一気に加速した


「っ!?」


ガレスの目が見開かれる

想像を超える速度だった

木剣が鋭く迫る

ガレスは咄嗟に受け止める


ガンッ!!


重い衝撃が腕へ伝わる


(速い……!)


ガレスは一瞬驚きながらも体勢を立て直し

再び木剣を構えた

訓練場には再び真剣勝負の空気が満ちていった

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