第106話 ノルディア騎士団
翌朝 辺境伯邸の執務室では
朝食を終えたレオン達が今日の予定を確認していた
エミルが口を開く
「レオン様本日は騎士団を視察したいと考えております」
レオンは頷いた
「もちろんいいですよ まぁ元々その予定でした」
「ありがとうございます」
エミルは一礼する
「騎士団も事業を支える大切な存在です 監査役として確認させていただきます」
「分かりました」
レオンは席を立つ
「では案内します」
「ゼム」
「ぼっちゃま」
「ガレス達には伝えてあるか」
「はい 既に訓練場でお待ちです」
「そうか」
レオンはエミルを見る
「では 行きましょう」
「はい」
四人は辺境伯邸を後にした
訓練場では既に大勢の騎士達が訓練を行っていた
木剣を打ち合う者
槍の訓練をする者
弓を引く者
掛け声が辺りへ響いている
「若様!」
ガレスが気付き、大きな声を上げた
周囲の騎士達も一斉に姿勢を正す
「おはようございます!」
「おはよう」
レオンは軽く手を上げる
「訓練は順調か?」
「問題ありません!」
「皆よく頑張っています!」
ガレスが力強く答えた
レオンは満足そうに頷く
「怪我人は?」
「昨日一名 軽い捻挫です 今日から軽い訓練へ戻る予定です」
「そうか…無理だけはさせるな」
「承知しております」
そのやり取りを見ていたエミルは静かに周囲を見渡した
(統率が取れていますね)
誰一人として気を抜いていない
しかし必要以上に緊張している様子もなかった
その時リックが駆け寄ってきた
「旦那!」
「おはようございます!」
「おはよう」
「今日は副団長さんの視察でしたよね」
「そうだ」
「失礼のないようにな」
「もちろんです!」
リックは胸を張る
その姿にエミルは思わず口元を緩めた
昨日と変わらず明るい騎士だった
エルンも歩み寄る
「レオン様 いつでもご覧いただけます」
「ありがとう」
レオンはエミルへ向き直る
「まずは普段の訓練をご覧ください ありのままを見ていただいた方が分かりやすいと思います」
「ありがとうございます」
エミルは静かに頷いた
訓練場へ視線を向ける
木剣を振る音
騎士達の掛け声
どれも無駄がない
その時だった
ガレスが口を開く
「若様 せっかくです 模擬戦をご覧になりますか?」
レオンはエミルを見る
「いかがでしょう?」
エミルは小さく頷いた
「ぜひ拝見したいです」
「分かりました」
レオンは笑みを浮かべる
「では ノルディア騎士団の実力を見ていただきましょう」
訓練場の空気が少しだけ引き締まった




