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乙女ゲーの辺境伯に転生したので奴隷落ちする悪役令嬢を金貨2万枚で救おうと思います  作者: トンビが鷹を産んだトンビの方
第5章 白銀の聖剣と秘薬
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第104話 事業計画書

エミルは革紐を解き 最初の資料を手に取った

表紙には大きく【魔力草事業計画書】と書かれている

エミルは静かにページをめくる

栽培予定地

栽培方法

必要人員

収穫後の流れ

教国への納品方法

事業開始までの工程

細かくまとめられていた


「……」


ページをめくる手が止まらない

レオン達は静かに待っていた

やがてエミルが口を開く


「ここまで詳細な計画書は初めて拝見しました」


プレゼンの資料作りなど前世のサラリーマンの知識が役に立っていた


「ありがとうございます」


レオンは小さく頭を下げる

エミルは続きを読み進める

次の項目には

人員配置

責任者

管理方法

事故が起きた場合の対応

さらには 収穫量が予定を下回った場合の対策まで記載されていた


「ここまで考えられているのですか」


レオンは頷いた


「事業は予定通り進まないこともあります 最初に考えられることは考えておこうと思いました」


エミルは感心したように頷く

そして次の資料を手に取る

ポーション事業計画書

こちらも内容は細かかった

製造工程

品質管理

保管方法

販売方法

役割分担

教国との連携

一つ一つ整理されている


「こちらも見事ですね」


エミルは資料を閉じた


「まだ始まっていない事業とは思えません」


レオンは苦笑する


「始まってから考えるより 始まる前に考えた方が失敗は少ないですから」


エミルは静かに頷いた


「確かにその通りです」


その時 一枚の資料へ目が止まる


「こちらは……」


レオンが答えた


「事業開始までの予定表です」


「開始日から逆算して 何を いつまでに 終わらせるかを書いてあります」


エミルは思わず微笑んだ


「教国でもここまで細かく予定を立てる方は多くありません」


レオンは少し照れくさそうに笑う


「予定通りにいかないことも多いですが目安があるだけでも違いますから」


エミルは最後のページを閉じる

資料を机へ置きレオンを見る


「正直に申し上げます」


「はい」


「監査役として来る前は十五歳の辺境伯が始める新事業と聞き 多少の不安がございました」


レオンは苦笑した


「それは当然だと思います」


「ですが」


エミルは静かに首を横に振る


「この計画書を拝見して その不安は無くなりました ここまで準備されているのであれば安心して事業を開始できます」


レオンは少しだけ安堵した表情を浮かべる


「そう言っていただけると助かります」


エミルは資料を丁寧に重ねた


(セリオス様あなたがレオン様を信頼される理由が少しずつ分かってきたかもしれません)


だが監査役としての仕事はまだ終わらない

エミルは次の資料へ手を伸ばした


「では 次に教国との契約書も確認させていただきます」


「もちろんです」


レオンは迷うことなく頷いた

監査はまだまだ終わらなかった

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