第十録:廻る歯車 五節「休息」
「おう!そうか!よろしくな俺はデボンズだ」
「副隊長補佐のダリアっす!」
「縁継です」
「夜天羅じゃ」
俺たちは軽く自己紹介を済ませた第一印象は快活で接しやすい人。
「んじゃあ席まで案内するぜ!着いてきな!」
その言葉に従い俺たち四人はついていき案内された席に着く。
「食うもん決まったらまた呼んでくれ!」
そう言い、デボンズさんは去ってゆく…卓上に置かれたメニューを開き夜天羅と一緒に見ると店名にビーフを掲げるだけはあり牛肉をメインとした料理が多い。
「メルサさん、何かおすすめとかあります?」
「そうですね…やっぱりステーキですね!」
「いいっすね!私この高いやつ!」
ダリアさんは容赦なく普段は食べないであろう値段のステーキを指差す。
「くっ!ダリア!人の金だと思って!」
「じゃあ俺はこの店主イチオシで」
「わしはこのビックバン⭐︎フライかのう」
「っ!店員さーん!」
覚悟を決め注文を始めたメルサさん。
この人は喜怒哀楽がハッキリして、それでいて嫌味のない人だ見ていて楽しい。
注文を終えて、先に届いたのは飲み物それが皆に行き渡り─
「じゃあ!乾杯しましょう!乾杯ー!」
皆でジョッキを差し出し軽くぶつけそしてメルサさん、ダリアさんは一気に酒を煽ると同時に飲み終え一言。
「プハー!うまい!」
俺は年齢的に酒は飲めない。
まぁ…それは日本でだ、この世界は十七からいいらしいが後ろ髪が引かれ日本に帰るから俺は日本の法を守ることにした夜天羅は将来、俺と呑みたいからと頼まなかった。
しばらく、談笑を楽しんで俺は聞きたいことを思い出してメルサさんに尋ねる。
「メルサさん、どっかいい宿屋知ってません?」
「んー?あぁそうですね、ありますよ」
よかった、メルサさんはルスティアに詳しいと言っていたので聞いたが知っているのは助かる。
「そいつは俺の宿か!メルサ!」
ちょうど食べ物を運んできたデボンズさんが会話に入る。
「デボンズさん宿屋も経営してるんですか?」
「正確には俺の嫁が、だな!」
なるほど、夫婦で別の店を経営しているのかこの感じだと家兼宿屋だろう。
「もちろんですよ!そこでなんですが」
へへへと小物臭い笑いを浮かべて手もみでデボンズさんに胡麻を擂るなにやらゴニョゴニョとデボンズさんに耳打ちをするメルサさん。
「…いいぜ!、話を戻すがヨリツグはうちに宿泊するか!?」
「そうですね、当てもないですしお願いします夜天羅も一緒で」
「ハッハ!ありがたいぜ!そこのちっこい黒いのも大丈夫だからな!」
「ありがとうございます、お世話になります」
「感謝じゃ」
にゃうんにゃにゃ!
コイスケも感謝のつもりか鳴き声をあげたこれでこの街に滞在する為の住居は問題ない、あとは明日のギルド次第だな…今は食事を楽しもう。
それからは美味しいステーキを食べつつ他の料理も頼み、楽しい時間を過ごした…問題があるとすれば─
「えぇ…なに?なんすか?のめないんすか?」
「呑めるよ〜呑めない?呑める!」
見事に酔っぱらい二人が出来上がった事。グデングデンだ、ダリアさんはからみ酒でメルサさんに関しては何言ってんだ?
「ハッハ!バカ二人が出来上がっちまったなぁ!」
「デボンズさんもぉ呑むっすよ」
「絡むな絡むな!」
ダリアさんは空のジョッキをグイグイと押し付けるそれを笑いながら軽くあしらうデボンズさん。
「…なんか、すいません」
「うわぁダリア、やめるんじゃよ」
デボンズさんから標的が夜天羅へ変わりジョッキを押し付けている。
俺はメルサさんを夜天羅はダリアさんを担いでデボンズさんに礼を言い見せを後にした。
二人を兵舎まで送り届けて後のことは兵士に任せたその後はデボンズさんの奥さんが営んでいる宿屋へ向かった。
「あら!?あなた達が旦那が言ってた二人ね!」
入ってすぐにデボンズさんと同じ年齢だろう宿屋の女将に声をかけられた。
「特徴的な服を着てるって言うからすぐわかったわ、あ、私はミレーネよろしく」
「よろしくお願いします。」
「お世話になるんじゃ」
にゃうんにゃ!
「じゃあ付いてきて、部屋に案内するわ」
軽く挨拶を済ませるとさっそく部屋へ案内してくれた、二階に用意された二人部屋の扉の鍵が開かれる。
中は広く十畳ほどの広さ、部屋にはバスルームとトイレも完備している。
「部屋は好きに使ってね、食事は部屋とは別料金で一階の軽食屋でね、宿泊客限定メニューとかもあるわよ」
一通り宿の説明をしてくれるミレーネさんは俺たちへ鍵を差し出しそれを受け取り感謝を告げる。
「それと宿泊費は前払いでお願い、何泊していくのかしら?」
「そうですね…とりあえずは十日でお願いします追加があれば早めに伝えます。夜天羅もそれでいい?」
「うむ、問題なしじゃよ」
「わかったわ、10日だと料金は金貨10枚よ」
指定された金額を取り出しミレーネさんへ支払いを済ませる。
「はい、確かに、じゃあ私はこれで、ごゆっくりね〜あ!あんまし激しい音立てちゃダメよ〜」
意味深なことを言い少しニヤニヤした表情をした後、一階へ去ってゆく。
「…のじゃ?」
「?……っ!!」
夜天羅はミレーネさんの発言の意図を理解してないが俺は伝わってしまった。
まぁ、恋人が同じ部屋で泊まるとなったらそれを連想するのも不思議ではないしそういう音のクレームになる前に予め釘さすのもわかるが…ちょっと想像してしまうがすぐに振り払い夜天羅、コイスケと部屋へ…もちろん特に何か起きることなく就寝、ルスティアでの夜が過ぎてゆく。
閲覧ありがとうございます!
一つ訂正です、ここまでを一章にします。
あと設定資料に関しては今日中には無理だったので
また告知します、では!




