第十録:廻る歯車 四節「ルスティア」
城から一台の馬車と護衛馬三体が出発した、馬車には教会のマークが掲げられておりその荷台に内部にはギルバート聖と護衛が4名。
「…よろしかったのですかギルバート様、私どもならあの場を制圧する事も可能でした」
深く被ったフードで表情は見えない。
「いいのですよレニ、それに貴方が言う制圧は犠牲が前提でしょう?」
「…はい、ゴルドー相手ですと我々は無事では済まないでしょう、しかし1人くらいはゴルドーと他騎士を突破して国王に刃を突きつけられました。」
護衛のレニは語る、決死の作戦なら勝てると代償は大きいが成果も大きい。
だがギルバートはその選択をとらなかった。
「いけませんよ?命を大事にしなさい」
「はっ…有難きお言葉。」
「それにね、方法なんていくらでもあります」
ギルバートはあの薄ら笑いを浮かべた彼の企みは、悲願は、やっと動き出した。
もう…止めることはできない。
───ルスティア街入り口。
「んぁぁぁんん!」
にゃぁぁあんんんにゃん!
夜天羅とコイスケは大きく背伸びをする、現在は夕方で十日間の長い旅を終えてやっとルスティアへ到着し俺は降りてゆく乗客を見届ける。
道中、特段問題なく終始穏やかな旅路だった…メルサさん曰く、魔物に襲撃されるのはたまになんだそうだ。
「いやー!お疲れ様です!」
「お疲れ様っす!」
後から降りてきたメルサさんとダリアさん俺と夜天羅は視線を2人に向けた。
「お疲れ様です」
「お疲れ様なんじゃ」
うにゃんにゃ
俺は乗合馬車の方に視線を向けた乗客が全て荷台から降りて駅の出口に向かっていく、喧騒が徐々に去ってゆく
「さてと!私達も馬車をここの兵舎に引き上げて馬たちを休ませてあげますか」
確か…この後、兵士やギルド所属の探索者は兵舎に泊まり三日間の休日でその後にエルサル村行きの乗合馬車の護衛をして任務が完了だが俺たちは異例で、ここでメルサさん達とお別れになる。
再び馬車に乗り、兵舎に向かうものの数十分で兵舎に到着した、規模の大きな街という事もありかなり大きな兵舎に到着して馬から荷台を外して馬房へ案内。
これであとは依頼終了のサインをして終わり、場所を移動して兵舎の待合室で夜天羅とコイスケと一息をつく
にゃんにゃゃゃん
コイスケは夜天羅の膝に寝転び大きな欠伸をする。
扉が開き、メルサさんが入室。
「ヨリツグさんお待たせです!こちらが書類になります。」
手渡された書類は依頼報告書、すぐにサインを済ませてメルサさんへ返し受け取ったメルサさんは確認してから書類を仕舞う。
「では、これで依頼完了になりますね!ありがとうございました!」
「こちらこそです」
「助かったのじゃ」
「ヨリツグさん、ヤテンラさん!これからダリアも誘って食事に行きませんか!」
メルサさんは笑顔でジョッキを煽るジェスチャーをする、食事か…いいな、夜天羅もその気の様だ。
「いいですね、行きましょう!」
「いいのう」
「じゃ!ちょっと待っててください!すぐに準備しちゃいますね!」
バタバタと去っていくメルサさん
「行ってしまったのう…」
「だな」
「して、ちと気は早いが明日からどうする?」
「とりあえずはギルドに行くかな?」
資金はあって損はない、それにギルドなら色々と情報が集まる、まずは依頼と街の情報。
再び扉が開きメルサさんが顔を出す私服に、腕章と剣を腰に帯剣していた。
「お待たせしました!行きましょう!」
俺たちはメルサさんの後ろをついつ行きエントランスに到着、そこには同じく私服のダリアさんが待っていた。
「あ、来たっすね!じゃあ早速行きましょう!お二人も今日はは副隊長のおごりっすよおごり!いっぱい飲み食いしましょうね!」
「太っ腹ですね」
「ありがたいのう!」
「お手柔らかに頼むよ?ね?」
「いやっす!」
満点の笑顔を向けるダリアさんと少ししゅんとしたメルサさん、この二人は上司と部下の関係だが仲がいい任務中の雑談で聞いたが幼馴染らしい確かメルサさんが2つ上だったか…
そんな感じで和気藹々としつつ街に繰り出す、沈みかけた夕焼けが街を照らして街灯がちらほらとつき始め俺たちは人混みがを進んでゆく。
どうやらメルサさん馴染みの店があるようで今日はそこでご馳走になる、コイスケも入っていいらしい。
この世界では友好的な魔物と魔術的な契約をしている人がそれなりにいるらしく小型なら大抵の店は一緒に入店可能。
「着きましたよ!」
ついた店からは肉を焼くいい匂いが漂ったきた繁盛している店な様で中は客で賑わっている。
店名は"デストロイ・ビーフ"。デス…トロイ?文字通り壊滅的なネーミング…一体どんな肉が出てくるんだ?
「破滅牛肉…のじゃ?」
おいやめろ直訳するんじゃない夜天羅、なんか余計にヤバい店みたいじゃないか。
まぁ…破滅的に美味しいとかだろ…多分…
「いらっしゃいませェ!!」
店に入ると店員の威勢の良い声が店内に響くすると店主らしき男性がこちらへ来た。
「よっデボンズさん!来たぜ」
「おう!メルサ久々だな!」
親しげに言葉を交わす二人、見た感じ…年が離れている様子。
店主、デボンズさんは中年くらいの年齢に見え蓄えた髭にオールバック、サングラスの様な黒いメガネ。
「後ろの若いのがお前の部下か?」
「紹介するよ部下のダリアと知り合いのヨリツグさんとヤテンラさんだ」
紹介された俺たちは軽く会釈をした。




