余談「妖界、来るは──」03
「あー…どうしたもんか。」
「悪いやつではないがのう」
雫がいなくなり一先ず食事の片付けや諸々を終わらせて夜天羅と先ほどの事を改めて話す。
「陰陽寮のやつやへ相談するかの?」
「そうだな、明らかにそっち関係だし…声を掛けずに勝手するのもダメだしなぁ」
面倒ごとを相談するのは少し気が引けるが…俺だけで解決できるかと言えば無理だろう。
まだ連絡を取れる常識的な時間だ、早速だが俺はスマホを取り出して青鐘寺さんへとショートメッセージを送った。すると──
「はい、縁継です。すいません…こんな時間に。」
"ええよええよ!どないしたんや?"
青鐘寺さんからすぐに電話が掛かってきた、いつもレスポンスが早くて助かる。
俺はついさっきの出来事を詳しく伝えた。
"……未熟な座敷童子がか…"
青鐘寺さんがそう呟くと少しの沈黙が訪れた、いわく座敷童子などの妖怪が人前に現れるのは珍しい様で普段は妖界に住み人間界とはほぼ断絶しているらしい。
「無視した方がいいですかね?」
"いや、行ってくれてかまへん。"
「え?いいんですか?」
予想外の返答だった、てっきり青鐘寺さんたちが引き継ぐかと思っていた。
"まぁ…座敷童子ならそう悪い事にはならへん。それに妖界となれば俺らは支援しかできへん"
「……前から気にはなってたんですけど妖界って危険な場所なんですよね?」
こういう超常的な物に触れて経験が浅い俺は妖界についてほとんど何も知らない、それこそ妖が住んでることくらいだ。
"せやなぁ…俺らみたいな耐性もなんもないやつからしたら危険や、でも縁継くんは神威があるから妖界でも問題ない。"
解魔ノ瞳があるから問題ない…か、つまり夜天羅の邪気に似た何かがある?
「有害な妖力が蔓延している?」
"ま、そんな感じやな。水と空気みたいなもんでな人が水の中で活動する様なもんや、厳密にはちゃうがな。"
水と空気か、そりゃ人が活動できない訳だ。
妖と人ではそもそも生命活動に必要な環境が違う。




