第九十録:あるべき場所。四節「再始動」
俺の上げた声を夜天羅も反応してドロシーの状況を認識、焦りながら二人して急いでドロシーの元へと駆け出す。
「わー!?なになに!?どうしたの!?」
ドロシーは急に寄ってきた俺と夜天羅に驚きの声を上げ、コックピットの中へ落ちる。
「もう!びっくりした!!」
「わしもじゃ!お主はな、何をしとるんじゃ!?」
「ドロシー、オーディンでなにを?」
キョトンとした顔で俺と夜天羅の問いを受け止めるドロシーはなんでそんな事を?とでも言いたげだ。
「ドロシーはね!オーディンが使えないか調べてたの!!」
「オーディンをかのう」
「使うたって…ロスト・レクイエムをモロに受けたんだろ?」
「うん!!」
夜天羅と顔を見合わせる。
ロスト・レクイエムは超強力なEMPみたいなもので電子機器に対しては一撃必殺。
おまけにロスト・レクイエムは防御不可ときたもんだ。
「ドロシーもむりかなーって思ったんだけど対策はしてたみたい!一時的な麻痺なだけ!」
「驚きじゃ。」
「あぁ…ん?まてよ。じゃあなんでカトレアはあんなに焦ってたんだ?」
対策できていて一時的な麻痺ならコックピットから出てくる意味などない。
「それはねー!多分だけどカトレアは完全に対策したつもりだったみたい!!」
「そうか…なるほど。」
「……まさか、あやつは勘違いしたのかの?」
「だろうな。自分の開発した万全の対策が機能しないと…失敗したとそう誤解し混乱…と言った感じか。」
「柏木の開発だもんね!」
……カトレアが対抗心を燃やす訳だ。
奴は憎い相手に対しては徹底的に否定したくて堪らない、それが柏木博士の開発となれば真っ先に対策したはず、まぁ結果は…。
何百年前の技術が通用しないのは科学者として格の差を感じざる得ない。
「理由は理解したのじゃ…ドロシーよ、動くのかの?」
「うん!!ばっちり!トトにシステムの再構築を頼んでるから待ってて!」
コックピット内部を覗いてみるとトトがケーブルを機器に繋げられていた。
なにやら内部のモニターには忙しなく文字が走り画面がスクロールしていく。
「……となると一体ゴーレムが増えるのう。」
「まぁ、戦力があるのは良いことではある。」
今でも申し分ないがあるに越したことはない、戦力が増えれば安全に繋がる。




