第八十九録:マッドネス 三節「逆恨み」
俺が予想を口にするとカトレアの声が聞こえなくなる…図星か。
カトレアは研究を取られた事それ事態は恨んじゃいなかったのかもしれないが魂を持った二人のアンドロイドが全く新しい魂を生み出した。
それは魂をプログラムをしていたカトレアにとって許す事は出来ず自身の否定と受けとり狂いドロシーを殺しかけ柏木博士を殺しエミリーを壊して全てをめちゃくちゃにした。
挙句に自身の死を招いた。
「……察しがよくて助かるよ、異邦者。」
「なんとまぁ身勝手な理由じゃ。」
自分が世界の中心だと本気で思っている、通りで地獄で魂を融合させても自我が残るわけだ。
奴にとって他人などその辺の草木と変わらない、ただただ自分の世界である研究を成功させたい。
「…カトレアはメアリーを作ったならそれでいいでしょー!?」
「まだ改善の余地がある、それができるうちは研究は終わらないんだよ…死に損ない。」
「そして…改善の材料が自ら私の現れた。」
オーディンは夜天羅を指を刺す。
夜天羅が?……もしや魔王ノ宿木の事を言っているのか。
「わしか?」
「そうだよ!魔王ノ宿木はいい研究材料だよ!」
こっちとしてはいらない物でいますぐにでも手放したい厄介な能力。
「なぁ…取引だ、魔王ノ宿木を君から安全に取り除いてやる。」
「………」
魅力的な提案ではあるが…カトレアは夜天羅の事をわかってなさすぎる。
「嫌じゃ。お前さんには渡せんのじゃ。」
即答。
取引などする訳がない、こんな危険な物をあんなマッドサイエンティストに渡して碌なことにならない。
「はぁ?…正気か?」
「貴様よりは正気じゃ、確かに今すぐに手放してしまいたい物じゃが…わしにはこの力に責任がある。」
「そーんなどうでもいい責任で苦しむのかい?」
「そうじゃ、わしのせいで誰かが傷つくのは耐えられん。」
「あっそ、馬鹿馬鹿しい。」
吐き捨てる様なら冷めた物言いをするカトレア、交渉決裂して興味を失う。
「じゃあ!もう殺した後でいいか!」
「無理だな、これ以上にお前に何ができる。」
実際、先頭では俺たちが有利。
メアリーとオーディンは確かに強いがこちらは夜天羅と俺による前線、ドロシーの支援と万全な状態になる。
「ハハハハ!大した自信だねぇ!お前たちがオーディンに勝てるはずがないだろう!!」
そう声を荒げ突進をしてくるオーディン。
お互いに出し尽くし底がみえている…ならあとはそれをどう工夫し上手く扱うかで勝敗が決する。
「ハァ!?」
突っ込んできたオーディンの槍、その刃部分を避けながらも傍に抱えて停止させた。
「言っただろ、無理だと。」
「ッ!?動かない!?」




