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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第四章:オーザンガール編
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第八十九録:マッドネス 二節「勝算など」

「理解できないか?」

オーディンを下敷きにして俺はカトレアへと問いかける、少し離れた場所では夜天羅とレーヴァテインが警戒して待機している。

「上から語るんじゃないよ!不愉快な!!」

叫ぶカトレア、オーディンの肩部機銃を向けるがすぐさま全力で叩き斬って破壊。

「カトレア、敗北を認めて地獄へ還れ。」

「それはできないなぁ!お前は僕に死ねと?」

「おかしな事を言う、既にあのときニックに撃たれて死んだだろ。」


コイツは…カトレアは生き返った訳じゃない、ただ悪魔になり脱獄しただけにすぎず肉体もただの借り物だ。

「生物学的には僕は生きているのさ!それが事実、お前は僕を殺すのか!?罪を犯さぬ無垢な僕をさぁ!!」

「必要があればな。」

「……チッ!豪胆な奴だ!怯えろよ!」

カトレアの脅しなど意味はない。

俺は手を汚す事を厭わない、日本にいた頃に妖霊関係で色々と経験した。


「潔く地獄へ還るなら苦痛なく送ると約束する。」

「ハッ!嫌だね!!それに勝った気になってんじゃないよ!!!」

「な!?」

背面スラスターを瞬間的に爆発させて俺ごと無理やり起き上がる、吹き飛ばされたがすぐに地面に着地した。

「醜い悪あがきだな。」

「科学者だからねぇ!!諦めの悪さに定評のある人種なんだよ!」


再び臨戦体勢になるオーディン。

少し距離を空けて俺たちは対峙する、数はこちらが有利でカトレアは一機だけだがまぁ強いな。

「もー!!そこまでなにがしたのー!?」

「ハッ…愚問だよ死に損ない、研究のために決まっているだろう?"私"の研究が正しいと証明するまでは死ねないね。」

「お前さんの研究は柏木どのと同じじゃろ?何をこだわる。」


一応だが柏木博士とカトレアは同じ研究をしていた。

自律行動可能な知能アンドロイド、それを二人は研究開発を進めていた…しかしアプローチが決定的に異なる。

「同じ?これだから低脳は困るよ、あのジジィは何を血迷ったのか魂を入れた。イカれてるよ。」

「…で、お前は?」

「"私"は魂をプログラムで作ったのさ!完璧な物をね!しかし当時の奴らどいつもこいつも節穴でねぇ…私の案は却下されたよ。」


これがカトレアの執念と怨みの根源。

否定された研究の証明、メユーリカたちは過程に過ぎない…そして恐らくオーディンに搭乗しているメアリーが完成形だろう。

「それなら自由にやるとよいじゃろう…お前さんがドロシーを目の敵にするのはなぜじゃ?」

「アハハハハ、なーんでも答えてもらえるとも思ってない?」

「別に答えなくてもいいぞ。大方の察しはつく、魂を持つアンドロイドのニックとエミリーから生まれた新しい魂だからだろう。」

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