第八十九録:マッドネス 一節「解析」
「さぁ!始めようか!!」
カトレアがテンション高く声を上げるとオーディンが背面スラスターを起動させる。
その動き出しを潰すために俺は地を蹴り駆け出しオーディンへ接近、刀を右薙に払い攻勢に出る。
「無駄だねぇ!!」
「っ!!」
オーディンは巨体でありながらあり得ない俊敏性を発揮、刀を避けてさらに槍で反撃。
しかし俺はその攻撃を防御…したはずだった。
「うおっ!!」
確かに刀で受けた…が、そのまま力のままに吹き飛ばされた。
想定していた以上の強化に驚愕をしつつも空中でなんとか体勢を整えて壁に着地、衝撃を逃しつつその状態から壁を蹴りオーディンとの距離を詰める。
ガァン…!!
槍と刀が激しく衝突、鍔迫り合いになり火花を散らす…
「ハハ!やるじゃないか!人間!!」
まさに高みの見物だな、カトレアは苦労なくメアリーにほぼ任せて戦う。
キリキリと押し合い槍と刀が触れている箇所が段々と赤熱して赤く色を帯び始める。
「忘れてないかい?僕には腕がまだあるんだよ!!」
左サブアームの刃が襲いくるが…カトレアも忘れている、夜天羅を。
「チッ…またお前か!化け物!!」
「おぉ!?中々の力じゃのう!」
鞭が絡みサブアームを制止する、しかし夜天羅は両手で鞭を扱っている。
俺より膂力がある夜天羅でさえ両腕を使い止めざる得ない、二人がかりでコレか。
「うっざいなぁ!!早くつぶれなよ!?」
オーディンは槍をさらに押し込む。
それに対抗する様に俺も踏ん張り力を込める、カトレアはこちらが力尽きるのを狙っているが……。
「解析おーわり!!いっくよー!!」
ヒュンッ!!
「このッ!?」
座れる様に迷いなく飛来したのは俺が斬り落としたオーディンの右サブアーム。
それが自立して飛行、攻撃を仕掛けた。
ドロシーに横槍を入れられてオーディンは体勢が揺らぐ、その瞬間に夜天羅が全力で引っ張りさらに体勢を崩そうと行動。
「このくらい!!」
オーディンは体勢が崩れ宙に浮かされたがスラスターを吹かせすぐさま空中で姿勢を整えようとするが手が空いた俺が邪魔をする。
「ッ!!」
咄嗟に左腕の盾を展開して防護壁を作るも俺はそれを意に返す事なく踏みつけて地面へと落下させる。
「ふざけ…やがって!!」
「見掛け倒しだな、カトレア。」
恐らくカトレアは戦闘における数の優位性と連携による戦力の跳ね上がりを知らない…いや、単純な強さでしか測れない。
だから本人もなぜ押されているのか混乱しているかもしれない。




