余談「妖霊事件」27
チリン……リン、リン。
突如として地面に鈴が落ちてきた───合図だ、全員の避難が完了した。
これで…もう遠慮をする必要がなくなった、弾幕が飛び交う最中に俺は刀を納刀。
「ハッ!何をしようとも心中は決まっている!悪あがきだ!」
騒速丸の真骨頂は居合術。
比良坂の猛攻を掻い潜り接近する、俺から逃げる動きを見せるが無駄だ。
「!?…こ……カッ!?」
俺は騒速丸で比良坂の首を切り落とした、居合による脱力と瞬間的な爆発力。
それを利用して中距離から距離を詰めて比良坂を殺した。
「終わりだ、大人しく消えろ。」
刀を納刀し転がる比良坂へ言葉を投げかける、首だけになってもまだ意思はある。
「この…この恨み晴らさでおくべきか!!」
首だけの比良坂がそう絶叫すると地面に倒れていた比良坂の身体が急に動きだして俺の身体へ触れた。
「ハハハハハハ!!今お前にコトリバコの"源呪"を与えた!!いかに神威といえど─!?」
狂乱の笑みから一転、比良坂の表情から笑みが消えて驚愕をしていた。
理由は俺の態度だろう、奴が言う呪いの核である"源呪"が効いていない。
「な…ぜだ。」
「解魔ノ瞳が分解しただけだ。」
混乱する比良坂が絞り出した言葉に俺は端的に答えたがこれ以外に言いようがない。
「そんなバカな…!!ありえない!!」
「詳しく言えば…青鐘寺さんとかの引き受けてた呪いがなくなって源呪を解体できた。」
「ハハ……神威か…人が生み出した呪いなど容易いというわけ…か。」
投げやりな言葉を吐く。
まぁ…無理もないかもしれない、比良坂を苦しめ狂わせた元凶を俺の解魔ノ瞳が無に返した、それも僅か数秒でだ。
「私の…私の人生とはなんだったんだ。幸せな生より復讐に身を焦がした死霊としての方が長い時を生きた。」
「………俺からは何も言えない、俺の言葉はお前にとっては全てが皮肉だから。」
「ハハ…違いない。」
乾いた笑い浮かべる比良坂。
自身の消滅を前にして憑き物が落ちた様などこかスッキリとした諦めのついた顔だ。
「さぁ…早く去るといい、私は一人で消えていく。」
「いや…見届ける、一人くらい居ていいいだろう?」
「ハッ……好きにするといい。」




