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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第四章:オーザンガール編
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余談「妖霊事件」25

「ッ!!…………あぁ?」

ついに…吉田さんの術式が発動した。

身構えていた比良坂だが"自身"に何の変化などがない事を把握して辺りを見渡す。

しかし変化がないのは自身だけ。

「……浄化、完了しました……!!」

「吉田さん!」


フラフラと倒れそうな吉田さんへすぐに近づいて肩を支えた。

緊張や疲労のせいか汗をかいて足が震えている…それほど負担を強いる術式だったのだろう。

「吉田!おつかれや!」

青鐘寺さんも吉田さんの元へ駆けつけてくれた、さてと…ここからは俺の出番だ。


青鐘寺さんに吉田さんの事を任せて俺は比良坂の方へと歩みを進める。

「…………ハ…ハハハハ!!!」

比良坂は状況を把握したのかより笑い狂う。

あの術式は奴の家族のみを対象にした専用の術式、つまりは比良坂の中にあるコトリバコにはもう誰もいない。

「…貴様たちは、奴らと同じだ!!私の家族を無惨に呪い、嘲り、踏み躙った奴らと!!」


俺に向かい襲いくる狂人…全てを奪われた人の成れの果て。

比良坂へ同情するにはもう何もかもが遅い。

「…それは比良坂、お前も同じだろ?」

「ッ!?…私の腕がッ!?」

接近し振り上げられた比良坂の右腕を切り飛ばす、奴は俺の動きに反応出来なかった。

「縁継くん!俺らは"範囲"から徹底するわ!また合図送る!」

「はい!」


そう言って青鐘寺さんは青蜥蜴の能力を使いすぐさま脱出した。

これで比良坂邸の地下には俺と比良坂の二人が残される。

「タヌキめが…実力を偽っていたな。」

「浄化をするまではアンタを殺す事は出来なかった。」

「……それで遠慮の必要がなくなったか。」

比良坂はそう呟くと俺に斬られた腕を拾うとくっつけた。


腕の動作確認をしている比良坂…しかしあれは見せかけだ、実際には修復など出来てはいない。

無理矢理に妖力で繋げて操作しているに過ぎない…が、そんな精密な力の操作は賞賛の一言に尽きる。

「こけおどしだな。」

「かもしれないね…さて、私は早く君を殺さないといけない。」

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