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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第四章:オーザンガール編
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余談「妖霊事件」21

俺は解魔ノ瞳を全開する、刀が妖術具であれば簡単には壊れないしこの"騒速丸"の持つ力それは加速。

膂力が強ければ強いほどに"騒速丸"を振るほど加速されてゆく…確かに俺向けだが相応以上の技量が要求される、扱いを間違えれば刀に振り回される。


「っ!!」

あの比良坂が笑みを浮かべられずに刀を避け戦いに集中している。

無理もない二対一の状況に加えて相手は妖術師の頂点、味方の俺でさえ動きを合わせるので一苦労だ。

「このっ!!」

「はは!やるやん!」

青鐘寺さんの付喪神…青蜥蜴の能力、影から無数の刃が比良坂へ襲いかかる。


比良坂は妖術での防御で精一杯、俺にまで気を向けることができない。

その隙を突き比良坂の斜め後ろから奇襲を仕掛け騒速丸を上段から振り下ろす。

「甘い!!」

青鐘寺さんの攻撃を防ぎながら比良坂は軽々と身を交わす…だがこれは想定内。

「ふっ!!」

「っ!?斬り返しだと!!」


騒速丸の加速をそのままにさらに加速を乗せての燕返しを繰り出す。

流石の比良坂もこれには反応が遅れて防御が間に合わない、比良坂の顔面に斬撃が直撃。

「惜しいな。」

「ですね!」

腐っても鎌倉時代の最強。

顔面に刀が食い込むが上手く斬撃を逃してダメージを半減させた。


「はっ…それがお前のほんまのツラか。」

斬った顔を手で押さえる…しかしベロンと剥がれた皮膚が垂れ下がり本来なら多量出血。

しかし血など流れない、剥がれた皮膚の中身は以前見た骸骨ではなかった。

「ミ、ミイラ?」

そこには干からびた人の顔、暗い眼窩が俺たちを睨んでいる。


「こないだアイツが縁継くんに話してた事はほとんど嘘っぱちや。」

「じゃあ、あの皮膚は他人の?」

「そ、アイツの本体は即身仏や。」

「おおかたは家族の魂を助けるための相応しい器が必要になってやろな。」

「………」

無言。比良坂は何も言わない…無言の肯定だろう、自身を顧みないほどの執念。

比良坂の動力源、怨みと救済…それは歪と言っていいだろう。

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