第八十四録:過大評価 五節「生命の価値」
無限とも思う数の弾丸を捌きクラレントたちへと接近してゆく。
レーヴァテインはジャベリンをクラレント04へ向けて放ち支援をしてくれる。
攻撃が緩くなりさらに接近が容易になりクラレント03は私の魔剣の射程範囲。
魔術で飛翔しクラレントたちの胸ほどの高さへ舞い上がる。
するとチェーンソーが横から迫るがファフニールで切り伏せるてやる、これで銃は破壊し残りは内蔵武装のみ。
武器を失ったクラレント03は動揺する事などは一切なく即座に破壊された銃を破棄。
腕部からブレードを展開して攻撃に移行、クラレント03と剣戟を繰り広げる。
神聖防御が強く施されたブレードは重く鋭い斬撃、しかし全てが私に届く事はない。
単純な実力差…それもあるがメアリーたちは最適な行動しかしない。
であれば慣れていれば対応は容易い、正確で的確な判断しかできないというのは駆け引きができないという事だ。
カトレアがどんな思考のもとでメアリーを作ったのか理解に苦しむな。
「すみませんが…まずは貴女から終わらせます。」
迫るブレードを弾き隙だらけのクラレント03の両腕を斬り落とし瞬時に地面へ向かい膝を破壊、クラレント03はなす術なく膝をつき修復も間に合わずもう満足に動く事が出来ない。
しかし頭部を私に向ける…再びあの単眼が現れて攻撃の準備を始めたが。
「残念ながら…それは無意味です。」
予備動作を始めた瞬間にはもうファフニール瞳を貫いた、これでこのゴーレムは終わり…いやメアリーを引き摺り出さねばならない。
私はすぐさま搭乗席を斬り裂き蹴破る、そこには────少女がこちらを見ていた。
力無い瞳、生きているがただそれだけで生きている事になんの頓着も無い。
てきである私と相対したこの場合…メアリーが取る選択肢は。
「させませんよ。」
動き出したメアリーの腕を掴み制止させた、その手にある物は冷たい鉄の凶器。
「逡巡もなく拳銃で自害ですか…」
「…………」
独り言、メアリーは何も答えない。
私はそのまま無抵抗のメアリーを拘束して搭乗席を離れた。
…今回は運良く生きたまま確保できたが次はそうはいかないだろう。
捕らえたメアリーは仲間が近くにいるから拳銃による自害を選択したが仲間がいなければゴーレムの自爆させていたはずだ。
「ドロシー!このメアリーを連れて一度レーヴァテインで退避をしてください。」
"わ、わかったー!!"
レーヴァテインにメアリーを手渡し森の方へと飛んでいくを見送る。
「…追いかける様な真似はしませんか。」
クラレント04はただ黙ってレーヴァテインが去るのを眺めているだけ。
それは私という脅威を前にして追いかけるだけ無駄という合理的な判断だろう。
「さぁ…決着をつけましょうか。」




