第八十四録:過大評価 三節「情報共有」
"わー!?"
眩い閃光が周りを白に染めたその瞬間、地面が爆ぜた。
地面に残った跡は赤熱した大地、白煙が舞う中では視界が遮られる。
"ザディルー!?大丈夫!?"
ドロシーが声を張り上げるも返ってくる声はない、安否の取れぬ状況に不安がドロシーの胸に募る。
"わっ!!"
隣の惨状に気を取られてしまいクラレント04の反撃を受けてしまい蹴られて距離を空けてしまう。
立ち上がりクラレント2体が並ぶ…戦況が一気に逆転しドロシーが不利な状況に変わった……かに思われた。
「ケホッ…煙たいですね。」
白煙の中から声、それは───
"ザディルー!!生きてた!!"
煙を払い悠々と現れたのは無傷のザディル。
レーヴァテインの隣に並び振り出しに戻る。
「すみません、少し用事を済ませていたので…さて、情報はいただきました。」
"ならアレやるのー?"
「えぇ、手筈通りにお願いしても?」
"うん!!まかせてー!いくよー!!"
レーヴァテインがクラレントへ接近していくのを確認して私は準備を始め、まずは剣を全て手元に戻す。
「ファフニール…起動。」
魔剣を発動し剣全てが魔剣により直接強化される、そして…全ての剣をヨリツグさんたちの方へと飛ばす。
「術式…展開。」
ファフニールを突き立て陣を展開、全力で魔力を注いでいく。
「相変わらず…消費の激しい技だ、ダインスレイヴですらこの半分だというのに。」
大量の魔力を感じたクラレントたちがレーヴァテインより私の優先度を上げた様子で動きが変わる。
これを準備している間は私は動く事はできない、ゆえにレーヴァテインが必死で押さえ込んでくれている。
早く…早くヨリツグさんたちの元へ剣を届けなければならい。
半自動のレーヴァテインでは流石にクラレント2体は荷が重い、今がギリギリのライン。
レーヴァテインが少しづつ押され始めている。
"このー!!ドロシー怒るよー!!"
ジャベリンをばら撒き牽制しながら剣を振るいクラレント03の盾を破壊した。
……武器類には神聖防御を施してないとはお粗末と言わざる得ないな。
"わ!?"
クラレント03に集中していたせいでクラレント04が盾で体当たりさせられる。
まずい、崩れ始めた!
"あっ!ザディル!届いたよ!!"
「いいタイミングです、魔剣術式"ザ・ライブラ"発動!!」
瞬間的に溜めた魔力が霧散して短い術式発動が終わる、幸運な事に私を警戒し過ぎたクラレントたちの足が止まったこと。
「貴方に害はありませんよ"メアリー"」




