第八十四録:過大評価 二節「半端」
「余所見ができる状況ですか?」
私はクラレント03へ接近、ファフニールを構えて最速で突きを放つ。
ガァン!!
クラレント03の頭部へ直撃するもほぼ傷はなし…牽制とは言えそれなりの威力で突いた。
「神聖防御ですか、抜け目のない事です。」
かつて栄華を誇った神代技術の最高峰、だがしかし。
「少々…お粗末な様子ですね。」
もし完璧な神聖防御なら私が全力で突きをしても傷一つさえ許さなかっただろう。
「だからこその修復ですか。」
私が傷を付けた箇所は瞬く間に修復された、
カトレアがレーヴァテインより上だと自慢げに豪語する割には私の中の評価は高くはない。
クラレント03と空中にいる私の視線が交わる、その瞬間。
破裂音とともに無数の弾丸が襲いくるが…こんなのは操剣の前では脅威ですらない、2本の剣を操り全てを叩き落とす。
頭部の銃を連射したままにクラレント03はチェーンソーを振るう、私はファフニールで弾き返す。
「…まるで人と戦っている感じがしませんね。」
ヤテンラさをが反応したとなれば少なからず人ないし生物がクラレントを操っている。
しかし行動に違和感を感じてしまう…そうこれは訓練などで使う自動ゴーレムの様に術式をなぞっているそんな印象を受ける。
強いことには強いが現状だと動きの予想ができてしまう。
だがこれは私の憶測に過ぎない、目の前の相手を油断はできない…何かが起きる前に早く機体に触れて情報を得よう。
チェーンソーを弾いた私はクラレント03の銃撃を防ぎながら機体に触れようとさらに接近、クラレント03は抵抗出来ずに私の手がゴーレムへと触れた。
「!!、流石に対策をされていますね。」
確かに手袋を外し手を触れたが…情報が断片的にしか得られない。
恐らくこれは神聖防御のおかげだろう、何でも防げる本当に魔法の様な防御だ。
「ですが…不完全。」
カトレアはなぜ完璧な神聖防御を施さなかったかは知らない、何かを防御よりも優先したのかもしれない。
現状…読み取れた情報は4割ほど。
残念だがまだ"アレ"を発動するには情報が足りない、せめて6割…いや8割はほしい。
このまま触れ続けておけば情報は取れるだろう…まぁそれをさせてくれるほど敵も悠長ではない。
ガコンッ!!
クラレント03から何かが起動する音、私はその音の方向へと視線を向けた。
頭部の装いが変わり巨大な単眼がこちらを見据えてくる。
そして──熱が集まっていく。
「なるほど、先ほどの光はソレですか。」
キュイーン…




