第八十三録:機兵 五節「罪の眼光」
敵を優位な位置にさせない為にもまずは一体を無力化しニ対一へと追い込む。
頭部の機銃から放たれる弾丸を捌き跳躍、ついに頭部へと到着。
クラレントの首へ目掛けて刃を下ろす、だが神聖防御が両断の邪魔をする。
刀が首の中腹で止まってしまった、勢いを殺された。
「っ!?」
けたたましい回転音が耳をつんざく。
クラレントのチェーンソーが視界に入る…まさか自身の首元にいる俺に向かってだ、これは神聖防御ありきの無茶な行動。
即座に刀に力を込めて首から振り抜き、チェーンソーを防ぐ。
「…なんだ?」
クラレントの首を斬った際に中に硬い…人間で言う所の脊椎に当たる部分が異常に硬く刀を阻んだ。
箇所によって神聖防御の強度が違う?何のために?
……決まっている、守りを固める理由は一つしかないそれは弱点。
つまりだ。この機体の根幹が頭部にあるのだろう、なら集中して狙いたいが、修復が邪魔をしていた、斬ったはずの箇所がもう修復完了しつつある。
「ちっ!」
チェーンソーを弾き返し再び首へと刀を構える、クラレントの顔が俺へと向けられる。
「っ!!は!?」
ガシャン!!
クラレントの顔面…いや頭部全体が変形し展開、露出した内部の単眼のレンズが俺を見据え、俺は驚愕と予期せぬ自体に警戒し足が止まってしまう。
キュイーン…
高周波の様な音が聞こえてくる、発信源は眼前のレンズ…そして熱を帯び始めた。
「クソ!マジかよ!!」
攻撃を察知した俺は即座に身を翻して回避行動を取った、次の瞬間。
真っ白な高出力のレーザーが発射された…これは、この武器は!
「罰光か!!」
かつての敵、ニックが搭乗していた機体グングニル。
罰光はそのグングニルのメイン武器。
それが小型化され頭部に内蔵されている…なるほどカトレアが自信満々になるわけだ。
だがこれは序の口だろうという確信がある、クラレントはまだ何かを隠している気がする…これは完全な勘だ。
"お前様、大丈夫かの!?何やら光が空へ向けらたみたいじゃが!?"
「大丈夫だ…この機体グングニルの罰光まで装備してた、危うく火傷する所だった。」
"なんと!その様な武器は持ってなさそうじゃがのう?"
「頭だ、そこに隠されていた。」
"厄介じゃのう!"
「だな…」
事態は振り出しに戻った、クラレントとの距離は開きまた接近しないといけない。
"また雨を降らせてやるかの?"
「どうかな…同じ手が通用するか微妙な感じだな。」
煙を上げながら頭部を元に戻してライフルを構え、もう一体は変わらずに盾を構えて防御に徹している。




