第八十三録:機兵 二節「行動開始。」
「っ!!」
「ご挨拶ですね!」
カトレアの話が終わるや否やクラレントからの一斉射撃が始まった。
俺はザディルさんの操剣により守られる。
「ありがとうございます!」
「いえ…さてどうしましょうか?」
「そうですね、ザディルさんとレーヴァテイン、俺と夜天羅に分かれましょう。」
「わかりました、では分断します。お互いまた生きて会いましょう。」
「はい!」
ザディルさんは操剣している剣を巧みに操り敵を二体ずつに分断、間髪入れず森から夜天羅の矢が飛来する。
矢に対してクラレントは盾を使いガード…だがこれは夜天羅の本気の矢だ。
それを受けたクラレントは矢の衝撃を殺しきれずに地面へと落下。
「どっせい!!!」
落下したクラレントへ接近した俺は解魔ノ瞳を全開放、矢を受けた盾を蹴り上げ吹き飛ばす。
「………」
「!!」
盾を吹き飛ばしたその左腕には内蔵式の短剣が展開され俺へと向けられていた。
ガンッ!!
短剣の腹を肘打ちで叩き落として強襲をいなす、油断できない奴だ。
判断が早い…考える暇などない連携だったはず、しかしクラレントは凌いだ。
「……それが二体か。」
倒れていた一体は起き上がり空にいたクラレントがその隣に降り立つ。
今の攻防で感じたのは無機質だ、生きている者を相手にしている感覚がない。
…オレイカルコスの様なAIの可能性も十二分に考えられる。
というよりカトレアの思想や実験を見ているとそれしかないと思うが断定はできない。
気掛かりは夜天羅の探知に引っかかった事だろう。
「気を引き締めていくか。」
"お前様!"
「夜天羅!魔道具の問題はなさそうだな。」
俺の耳に付けたイヤリング型の魔道具を触る、これはザディルさんから提供してもらった彼方ノ鏡を操作せずに通話が出来る物。
早い話がインカムだ、おかげでより正確な連携が夜天羅と取れる。
改めて…クラレントと相対する、解魔ノ瞳の全開放をやめて魔力強化に支障がない七割ほどに抑えて刀を構えた。
「………」
「………」
互いに動かない、図っている。
俺がどう動くか、夜天羅がどう動くかを…反対の俺も同じだが。
先に動き出したのは俺、それに合わせる様に即座に反撃の為にライフルを構えるクラレント。
「…ははっ」
思わず笑ってしまった。
相手を舐めているとか見下しているとかじゃない、夜天羅が後ろにいる事の安心感でだ。
「…行くぜ。」




