第八十三録:機兵 一節「地下」
俺とザディルさんはユダ遺跡へと降り立つ。
夜天羅たちには森で待機、援護と警戒を任せる。
「………」
「………」
もはや遺跡などとは呼べぬ更地と化した島。
それは同時にダインスレイヴの威力を物語っていた。
「カトレアは生きてますかね?」
「恐らくは──」
そう言うと地面へと触れた…少し前にザディルさんから教えてもらった特殊能力。
触れたものの情報を問答無用で読み取る力、今それを使い調べている。
「生きていますね。しかももうすぐ隠された地下施設から追加の兵がやってきます、それもカトレアが持ち得る最大の手札。」
「なっ!?」
"お前様!地下から来よるぞ!!"
ザディルさんより少し遅れて彼方ノ鏡から夜天羅の焦った声が聞こえてくる、夜天羅の探知が遅れた…何かがおかしい。
「了解だ!」
なるほどな…宮殿の中が手薄だったのはこの為か、本人は地下へ逃げ込み準備をしていた。
…酷い話だ宮殿の悪魔たちは時間稼ぎの捨て駒にされていた。
「来ますよ、ヨリツグさん。」
地響きが地を揺らすと宮殿跡の近くの地面が裂ける…いや違う、分厚い鋼鉄の門が開く。
そこから瞬時に四体の飛行ゴーレムが飛び出す。
「コイツは!!」
……見覚えのある機体、色は違うが形状があまりに酷似している。
「レーヴァテイン!?」
「複製品でしょうか…それが4体も。」
レーヴァテインの強さはよくわかっている、それに匹敵する機体が複数。
決して油断のできない相手に緊張感が走るが表情には出さず刀を構えた。
空を舞う四体の機体は正しく整列し変形、人型へとなり武器を構える。
銃剣付きのライフルと盾…王道な装備。
'これらの名はクラレントと言う、試作品であるレーヴァテインや旧世代のグングニルを凌ぐ戦略兵器だ。'
設置しているスピーカーからだろう、男の声がが島に響く…自信満々に兵器の強さを語る男…。
'色々とお世話になったね…まさか防護壁を突破するなんて思いもしなかったよ。'
ペラペラと…誰かも知らない男が一方的に俺たちへと語りかける。
'だからそのお返しだと思ってぜひクラレントとメアリーたちの戦闘データとなってくれ'
メアリーか…恐らくはあの機体、クラレントに搭乗している奴のことだろう。
'ま、もしクラレントを倒す事ができたなら僕が直接相手をしてあげてもいいよ。無理だろうけど。'
自分の作ったクラレントによほどの自信を持っている、それにこの口ぶりで神代の技術であるゴーレムもといロボットを作れるこいつは…恐らく──
「お前がカトレアか。」
'あぁ…挨拶が遅れたね。初めまして異邦者と半妖の騎士に魔王の種…それと"死に損ない"そう僕がカトレア・ウィンストンだ。そして…さようなら'




