余談「妖霊事件」13
「………黄泉還りか。」
「うーむ……言葉通りに取るなら生き返りと言っても良いのじゃ。」
夜天羅の考えが正しい…というよりそれ以外の答えが見つからない。
言葉の意味もそうだが比良坂の状況もこの答えを後押ししている……なるほど。
「肉体を捨てないのも納得できるな。」
「肉体を?捨てない…のじゃ?」
夜天羅へ比良坂の状態を詳しく説明をした…すると夜天羅は見たこともない嫌そうな嫌悪の表情を浮かべた。
「………大切な人を失う気持ちはよくわかるがのう…人として一線を、禁忌を超えておるのじゃ。」
「だな…恐らく比良坂の目的は家族の蘇生だろう。」
「うむ、わしもそうじゃと思うのう。」
比良坂の真意は割り出せた、しかし蘇生が目的なら新たな謎が浮上する。
「……比良坂の技術なら人の蘇生は可能なんじゃないか?」
そう、奴の技術なら人の蘇生は可能だろう、少なくとも500年は準備をしている。
「コトリバコのせいじゃ。」
「そんなに強力な呪いなのか?」
「肉体を死に至らしめるのはもちろん…魂を汚染する呪いを掛けるのじゃ。」
魂を汚染…か。
肉体を呪い殺すだけにとどまらずその魂をも呪う徹底した呪殺、夜天羅が狂っていると言うだけはある。
「魂が黄泉へ行かず悪霊に成り果てるじゃろ?お前様はその先を知っておるか?」
「悪霊のその先か…分からないな。」
「滅多にないが消滅じゃ、大概は消滅する前に人を襲って魂を回復させるが…」
「そうじゃない奴は魂が力尽きる?」
「うむ、コトリバコは強制的に魂を喰い潰し消滅させるのじゃ。」
「………酷いな。」
「人が生み出す悪意には底がないのじゃ。」
呪殺術が忌避感され嫌われている理由がよくわかる、下手をすれば人類を滅ぼしかねない物を生み出せてしまう。
「じゃから、比良坂はまずその汚染された魂をどうにかせんと蘇生は出来ない状態かもしれんのう。」
「あとは比良坂の居場所がわかればいいんだかなぁ」
「ん?比良坂は居場所かの?」
「えっもしかして…まさか夜天羅わかるのか?」




