第七十九録:落差 四節「可変的殺意」
「ま、まずくないですか…アレ…こう…殺意!って感じがしますよ!!」
「確かに注意した方が───」
バンッ!…大型ゴーレムから弾ける様な音がしたかと思えば信じられないほどのスピードで接近。
「っ!?」
わしは急いでレーヴァテインを操り逃げる様にしてスピードを出して対抗。
「うわー!!!落ちる!落ちますってコレ!!」
「仕方がなかろう!死ぬよかマシじゃ!」
「わー!あははは!!」
「ドロシーちゃんは何を笑っているんですか!?」
発砲。それもわしの魔銃以上の威力と連射速度、当たればバランスを崩して墜落か更なる追撃で墜とされるかの二択。
「ハミルトン!レーヴァテインの武器で対抗じゃ!」
「無理!無理です!なんな辛うじて人が扱える様にした物をか弱い私にはとても!!」
「なーにがか弱いじゃ!お主も三等級じゃろう!!」
「……ドロシーが運転する!!」
わしとハミルトンがしょうもない言い合いをしているとドロシーが衝撃の提案をしてきた。
「で、できるかの?」
「うん!オートバトルと同時に条件付きで解放されたよ!」
「条件?」
「縁継か夜天羅のどっちかが一緒にいればいいんだって!!」
「なるほどのう…わかったのじゃ!任せる!」
「うん!!!」
「ハミルトン!ドロシーを支えてほしいのじゃ!」
「りょ、了解!」
ドロシーへ操縦桿を握らせハミルトンをドロシーの後ろへと座らせてわしは最後尾へと行き武器を構える。
弓とも魔銃とも違う重量感のあるジャベリン…連射の反動もあるがそんなものは高が知れている、問題は─────
「ヤテンラさん…ドロシーちゃんの運転は大丈夫…なんですかね?」
「………大丈夫かそうでないかで言うとじゃな」
「大丈夫ではないの。」
「はい?」
「いっくよー!!!!!!」
ドロシーはわしらの会話などどこ吹く風で…思いっきり操縦桿を握り傾けた、まぁ…この子の性格上こうなる事は必然。
錐揉み旋回をして曲芸でもするかの様に激しく動き敵を翻弄。
「うわぁぁぁぁあぁぁぁ!!!」
絶叫、ハミルトンの腹の底からの叫びが辺りに響き渡る。
問題はこれじゃ。ドロシーの激しい運転の中であの速く機敏な大型ゴーレムにジャベリンを当てなくてはいけない。
「ふぅ…集中じゃ。」
まさに針に糸を通す様な繊細な作業…目まぐるしく踊るゴーレムを捉えてジャベリンを連射してゆく。
…小型とは違いそう易々と当たってはくれない、回避行動が異様に速い。
「なんともまぁ…難儀な事じゃ!」




