第七十九録:落差 三節「烏合」
───「うわぁ!下は混戦ですよ!!」
レーヴァテインから地上の様子を伺う、色々と面倒な事になっておったが状況はすぐに一変、気がつけば一騎打ちが始まっていた。
旦那様と悪魔は互いに善戦、ザディルどのは有利に戦闘を進めていた。
「ちょ、ちょっと!これじゃ援護は邪魔じゃないですか!?」
ハミルトンが状況を見て判断をする、そう…今の状況では援護はかえって邪魔になってしまう。
「その意見には賛成じゃ…でもわしらはわしらでアレの相手をせなならんのじゃ。」
「アレ?…って!?なんですかあのうじゃうじゃ!!」
空中には五十はくだらない数の小型飛行ゴーレムと大型ゴーレムがこちらの様子を伺っていた。
「わ、わ!来ましたよ!」
先行して仕掛けてきたのは小型ゴーレム、その躯体と素早さを活かして撹乱する様な動きを見せる。
「ま、無駄じゃ。」
わしは弓ではなく連射が可能な魔銃を取り出す。銃を使う初の実戦、今までは合間を見て練習はしてきたが…さてはてどうなるか。
右手で構えて左手では弾薬を携える、旦那様曰くスピードリローダー…じゃったか?なんにしろ弾薬を素早く装填できる優れ物。
狙いを定めて引き金を引く───
「おぉ!命中です!」
矢とは違い素直な軌道、融通はきかんが扱い易く威力も申し分ない。
問題なく迎撃ができる確信を得てわしは次々と発砲、装填を繰り返す。
敵の飛行ゴーレムが面白い様に落ちてゆく。
「的当てじゃな。」
もはや遊戯感覚に近く一発も外すことなく小型ゴーレムは全て撃墜した。
「さ、流石ですね!」
「わー!夜天羅!夜天羅すごい!」
「ありがとうのう、さて…あとはあのデカブツだけじゃ」
「デカブツ!」
小型が堕とされたにも拘らず、何をする訳でもなくただ静かに佇む。
小型を撃墜している時に大型も撃ってみたがやはり危機はしなかった、奴に関しては矢でも厳しいとかもしれない。
「矢じゃ無理かのう?どうしようかの…」
「夜天羅!夜天羅!これ!」
「どうしたんじゃ?ドロシー、おぉと!こ、これはどうしたんじゃ!?」
ドロシーに服を軽く引かれて視線を向けるとレーヴァテインの武装が露出していた。
「素手でも扱える様にしたよ!」
「ほう!ありがとうのう!」
戦闘中にも関わらずに思わずドロシーを撫でて褒めてしまう。
「ちょ!ヤテンラさん!前!前!」
「次はなんじゃ…は?」
大型ドローンに動きが見て取れる、自ら要らぬパーツを外し変形し始めた。
ずんぐりむっくりだった体型は細く鋭くさらに武装を携えてより戦闘に特化した形状へ変形を完了した。




