第七十六録:判明 二節「キキョウ」
「まあまあ…結果的に軽症で済んだわけですから。」
「むぅ…」
にゃーん!にゃんにゃ!!
コイスケは鳴き声が聞こえて視線を声の方へ向けるとレーヴァテインをペシペシと前足で触っていた。
「……とりあえず今日は帰りますか。」
全員が首を縦に振り満場一致に。
俺と夜天羅、ドロシーはレーヴァテインへ搭乗をしてラグナはレーヴァテインの手に乗ってもらいすぐに浮上してフォルスラを目指す。
───レオニルスの最大スピードで走りものの数十分でフォルスラへ到着。
「はぁい、お疲れ様ね。アルレッド騎士」
「キキョウさん、ありがとうございます。」
私の前に現れたのは鬼族のキキョウさん、オーザンガールからフォルスラまでの移動を担当してくれた頼もしい方だ。
「じゃ、またオーザンガールまで?」
「…いえ、ネルテ・ルサドへは行く事は可能ですか?」
「ネルテ・ルサドね…行けるわよ。」
「頼みます。」
私の頼みを承諾して魔法を起動、そうして瞬時にネルテ・ルサドへと到着。
「は〜い、到着よ〜」
「!?い、一瞬で!?しかもどこよ!?」
アマネさんが急な事で混乱を隠す事ができない…無理もないだろう、彼女からたち異邦者は魔術や魔法に触れてまだ日が浅い。
「ここはネルテ・ルサドです、世間からは存在するかどうかと言われている国ですね。」
「いや!そんなトコに何しにきたのよ!?」
「理由は2つです、リヒトさんの回復や状態の検査ですね、ネルテ・ルサドは魔力関係に精通しています。」
「もう一つは…待ち合わせですよ。」
「待ち合わせ…」
「はい、詳しくは話せませんが近衛騎士と合流予定です。」
「そう…なのね。」
アマネさんは一応の納得はしてくれた…少しの虚偽を混ぜた事の罪悪感はあるがリヒトさんの治療やネルテ・ルサドの事は事実だ。
隠しているのはここじゃなくてもいいという事、治療や検査だけなら本国でもいい。
急ぎ合流をする近衛騎士へ伝えなければいけない事がある…今回はそれを優先した。
「本当にありがとうございます、キキョウさん!貴女のおかげで大変助かりました。」
「ちょっとぉおべっかが過ぎるわよ〜?」
「おべっか?」
「褒めすぎってことよ。」
「そんな!本心ですよ!」
カラカラと笑うキキョウさん…褒めすぎ?とんでもない!彼女の魔法のおかげで私たちが追う組織を打破できる糸口になる。
「さて…と、私はもう帰るつもりだけど大丈夫かしら?」
「はい!急な要求にも答えてくださりありがとうございます。」
「はいは〜い、じゃあねぇ。」
キキョウさんは魔法を再使用しその場から消えた…私はリヒトさんを抱えアマネさんを連れてとある施設へ向かう。




