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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第四章:オーザンガール編
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余談「ある種の禁書」後編

夜天羅が掲げた雑誌、それは────

「結婚情報誌とやらじゃ!すごいのう!今の時代は本当に色んなものがあるものじゃ!」

そう…世の男性が見たくないであろう雑誌の筆頭、結婚情報誌。

「義母様に後学のためにとな!」

お袋め…とは思うものの俺は雑誌に対して忌避感などはない。

逆にどういう内容が書かれているか気になる。


「まだ中身は見ておらんから一緒に見てみんかの?」

「あぁ」

俺は夜天羅の隣に座る。

雑誌の表紙には海が見える絶景を背にしてウェディングドレスを着た笑顔の女性が表紙を飾っていた、夜天羅はそ雑誌を楽しそうに開いた。

「ほー…綺麗な写真じゃ。」

「凄いな。」


表紙を捲る、表紙裏には目次なんかが記載されておりそこから数ページは新郎新婦の写真が続く、確かに綺麗な写真だな…特集で大々的に表紙を飾っているだけはあり海が見える海外の式場とドレスが鮮やかに映えていた。

「おお?これは婚姻届かの?……よいのか国に届け出る書じゃろ?」

ページを進めていき出てきたのは婚姻届、それも華やかなデザインが施された用紙だ。

……これが世の男性が見たくない理由だろうな。


「確か…紙のサイズ、この記入欄とかに装飾が被ってないかとかがなければわりかし自由なはず。」

「ほう!そうなんじゃな!」

さらに読み進めていく、情報誌というだけあり成婚に向けての事やコラムなどが書かれている。

「世間様はこんな感じがなんじゃな〜」

「まぁ…俺たちは特殊も特殊だからな」


夜天羅との関係は良好も良好だが…事情が事情なだけに雑誌に書かれている事が当てはまりにくいの確かだ。

……一つ気になる疑問が浮かんでくる。

「…夜天羅はさ、ドレスとかどう思う?」

俺たちの結婚式はある種の儀式になるから必然的に神前式になってしまう。

この時代に慣れてきた夜天羅ならやはり着たいと思っても不思議じゃない。


「綺麗じゃと思うがわしが身に纏うのは想像つかんのう。」

さっぱりとそう答える夜天羅、確かに式の事が既に全て決まっていれば選択肢に入らないだろう、しかし───

「フォトウェディングとかもあるから着ることはできるぜ?」

「フォトウェディング?」

「あーっと…これこれ。」

俺は雑誌のページを捲りフォトウェディングが掲載されているページを夜天羅へ見せた。


「おお!こんな形の式もあるんじゃな!」

「あとは珍しいが二つともやる人もいるっちゃいるな。」

「色んな人がいるのう〜。」

興味は示すが夜天羅の様子からあまり乗り気じゃない雰囲気を感じる…単純に趣味じゃないのだろうか?

「うむ、わしはやはりあの着物に袖を通したいのう!」

「あれか、うちに代々受け継がれてきたっていう着物。」


「それじゃ!あれは来空が拵えた着物じゃからな…あの着物じゃないといかんのじゃ。」

「話には聞いていたけど…本当だったんだな。」

昔見たお袋と親父の写真を思い出す。

代々受け継がれてきた花嫁衣装と袴…こうなる前の妖霊を信じる前は受け継いできたなんて与太話と思っていた。

鎌倉時代の着物、それも色褪せもせずに残っているなんてありえない、だが…何かしらの術式が施されていれば話は別。


「それは大事な物だな…」

「うむ!お前様もわしの事を考えてくれてありがとうのう!」

バレてたか…こうストレートに感謝を告げらると少し照れ臭くなる…が、夜天羅はお構いなしに俺へ抱きつき頬へキスをする。

今日は暑いな…そう思うことにして自分の気恥ずかしさを誤魔化す、まぁ…夜天羅にはこれもバレているんだろうともうあまり考えないことにした。


「式を挙げる日が待ち遠しいのう。」

「だな。」

俺と夜天羅は近い未来へ想いを馳せながら寄り添い過ごす…こんな毎日が過ぎていく事に惜しさ感じながら俺たちはその日まで進んでいく。

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