第七十四録:最悪の邂逅 五節「どうして。」
林を抜けて陽に照らされる、少し暗い場所にいたせいか一緒だけ目を細めてしまう。
すぐに明かりになれた目でベリルさんたちへ視線を移す、レーヴァテインの近くに全員がいた、あの二人…大崎と刺牙と先に合流して何かを話している様子が見られた。
「わーい!ベリル!ネーメル!ラグナ!」
ドロシーは声を上げながらベリルさんたちに向けて大きく手を振った。
それに気がついたベリルさんが俺たちへ手を振り返してくれる。
「皆さーん!ヨリツグさんもご無事でー!」
「ベリルさんたちも!無事でよかったです!」
少し遠くから互いの無事を知らせあった、それからすぐに俺たちは合流を果たす。
大崎と刺牙の様子を伺うと最初よりは落ち着いてはいるもののやはりその表情の下には困惑が隠しきれていない。
「お二人はオーザンガールの神代遺跡にはどう言ったご依頼で?」
ネーメルさんが二人に問うた……しかしファーネイルにいたとすれば神の痕跡が関係している可能性が大きいだろう。
「僕たちは遺跡の軽い調査をギルドから受けて…それから機械に触れた途端にはもう…」
当たりかだ、神の痕跡が原因。
ファーネイルからアキレウサスまで強制的に瞬間移動をさせられた、納得がいく理由ではある。
「ひとまず、ゴルドーさんには連絡を取るからフォルスラへ………あっ」
いや…ダメか?この二人は今の状態は不法入国になる、それを勝手に決める事はできない。
「ベリルさん、ネーメルさん、フォルスラへ入っていいですか?」
「…本来なら厳重な対応をしなければなりませんがヨリツグさんはお二人と面識があるご様子、それにアルレッド近衛騎士隊長様へご連絡を取ってくださるなら私たちの権限の範囲です。」
「それにラグナがいるんです!今更二人くらいどうってことないですよ!」
そうか、ラグナも形で言えばそうなるのか…下手にホムンクルスと公表してしまう方が面倒だろうな…ラグナの処遇も適切な場所があるしな。
「ありがとうございます、それでお願いします。」
「ではわしとドロシーはレーヴァテインの準備をするのじゃ」
「わかったー!」
レーヴァテインが変形し飛行形態になり夜天羅とドロシーが少し離れる。
「じゃあ…お前らも行くぞ。」
「え、えぇ」
「………ねぇ覡君。」
「なんだ」
大崎は少しの逡巡を経て俺と目を合わして意を決して口を開いた。
「どうして…城を飛び出したんだ?」
「今聞く様な事か?」
気持ちとしては理解はしてやれる、自分が世話になっている所に同郷の俺が不義理な真似をした、その理由が知りたい…大崎の心境だろう。
「それについてはゴルドーさんとは和解済みだ。」
だが詳しく話す事はできない…巻き込まれる可能性もあるが話した所で理解が難しいかもしれない。
「それは!…なんとなくわかっていた、けど……理由を知りたい。」
「詳しくは話せない…が、強いて言えば愛する人を守る為だ。」
夜天羅を守る為に俺はあの選択をする以外なかった、あの枢機卿もそうだが邪気のせいで被害が出たとすれば彼女の心に傷を作ってしまう…それだけは嫌だった。
「………っ」
…納得はしていないだろうそれは大崎の表情から読み取れるが追求をやめたのはこれ以上俺が応えたないのを察したからだ。
「お前様ー!こっちの準備はできたのじゃ!」
「ありがとう、すぐ行く!」
夜天羅へ返事をし視線をやるとレーヴァテインはすでに変形を済ませていた。
不服そうではあるが二人は俺の後ろを着いてはきた。
夜天羅は先にドロシーを乗せて次に夜天羅がレーヴァテインへ搭乗しようとした時だった
「お前様───」
目の端で捉えた、俺の背後から鋭い何かが飛来をするのを。




