第七十四録:最悪の邂逅 一節「冒涜」
「そんなバカなっ!?」
私は声を荒げた。
確実に弱点を潰して倒したはずだ…しかし目の前の現実が私を否定する。
首無しがゆっくりと再生しながら立ち上がり何もなかった様に私たちと対峙。
混乱が思考を支配しそうになる…だがこれ以上取り乱す訳にはいかない。
「フー……よし!」
息を整えて冷静さを取り戻す、思考を切り替えて改めて考える。
確かに倒す事は出来なかったがそれでアレが弱点である事には変わりない。
あの異様さだ何かある…次から次へと謎が現れて嫌になる。
「ネーメル隊長!コイツらの弱点が心臓に埋め込まれています!それに一時的に行動不能にするだけで他に何かあります!注意してください!」
「了解。」
情報共有を済まし首無しと向き合う…ラグナとアイコンタクトを交わして二人同時に駆け出す。
私は右ラグナは左と首無しを挟み撃ちにして挟撃、首無しは私ではなくラグナから対処をしようと動き出す。
私の方が攻撃が早かったのにそれを無視して優先的にラグナへ…やはり心臓を守ろうとしてはいる。
弱点には変わりがない。
何が足りない?いや条件か?…あの核となる遺体の異様さの謎か?
首無しの攻撃に対応しながら思考を巡らす。
原点…死霊術の極地であるデュラハン、核となる遺体を使い様々な遺体をつなぎわせその核に魂を詰め込む事で脅威の強さを誇る。
本来なら核は首だけでいい。
それにも関わらず縦に割られた遺体を使う…その意味。
「ハァァッ!!」
ピィーーーッ!!ネーメル隊長の方からあの甲高い声が聞こえてくる。
どうやら…ネーメル隊長も弱点を潰した様でその様子を視界の端で捉えた。
「ッ!?」
驚愕、私の視線はソレに釘付けになる、まさか…そんな───
「ベリルさん!!」
ラグナの声でハッとなり意識を向けると首無しの強靭な前足が眼前まで迫る。
「グッ…おぉッ!!」
間一髪…腕でのガードが間に合うが吹き飛ばされてしまい地面へと激突。
すぐに体勢を立て直して回避行動をとると瞬間、今さっきまでいた場所に首無しの脚が突き刺さる。
「フー…」
「ベリルさん!大丈夫ですか!?」
「あぁ!」
口を切ってしまったのか鉄の味が口内に広がっていく、不愉快な味に私は血を口から地面へと飛ばした。
「ハハッ…なんて事だ!わかる訳がない!」
「ベ、ベリルさん!?」
突然の発言にラグナが不安そうに私を見てくるがお構いなしだ。
「わかったんだよ!奴らの謎がね!!」




