第七十三録:来訪者 二節「躍動」
───「ガッ…ゴポッ!?」
レーヴァテインとの共闘はこの上なく上々、これまで俺の戦闘を見てきたのだろうな。
動きやすいし合わせてくれる、人型が手も脚も出ないほどに戦闘が有利になっている。
が、しかし…依然として人型を倒せない謎が解けていない。
レーヴァテインの攻撃で頭部を消し飛ばしたがそれでも再生をしてしまう…となれば身体のどこかに小さな弱点があり面倒な事に恐らくそれは移動している。
「…今はそれぐらいしか思いつかないな。」
そうだと仮定して……方法は二つしかない。
全身を残らず吹き飛ばすか弱点をピンポイントで捉えて潰すかだ。
「それが出来れば苦労はしねぇ…なっと!」
「ゴガァ!!」
迫る巨腕を斬り落とす、更にそこへレーヴァテインが銃撃を叩き込む。
小型ジャベリンが雨霰の様に人型を襲う、まるでヤマアラシだ。
人型は放たれたジャベリンの衝撃を受け止めきれずに後方へ吹き飛んでいく。
これがレーヴァテインと共闘してからの一連の流れになる。
知性がない人型は目標である俺へ向かってくるしか脳がない…それを最小の労力でいなしてレーヴァテインが弾幕を張る。
そして再生した人型が…のループ。
「嫌になるな…ん?」
人型の様子がおかしい、苦しみもがきながら再生をしている…今まで以上に。
「アァァァアァァガァッ!!?」
警戒心を高め刀を構えて様子を伺う…不気味で歪な声を張り上げながら膨張していく。
「おいおい…破裂するんじゃないだろうな?」
そう考えが過ぎるほどに膨らむ人型、もはや肉の塊と言った方が正しい、俺は爆発の巻き込みを危惧して少し距離を離す。
「……どうなってんだよ。」
膨れ上がっているのは肉だけじゃない…骨もだった、肉を突き破り骨が露出し肉を強引に包んでいく。
「変態…か?」
虫が卵から蛹へ…蛹から成虫へと姿を変える様に目の前の人型の姿がグロテスクに変わっていく。
……やるなら今か?無防備な今を仕留める。
俺はレーヴァテインと共に人型へ駆けていく…近づくにつれ血が蒸発して発せられる煙は鉄臭く生臭い。
不愉快だが人型を仕留めるために刀を振るう、変化を続ける人型を斬り妨害。
「ちっ….斬ったそばから再生かよ!」
規格外、そう言わざる得ないほど再生が速い…切り離した瞬間にはもう肉が接続されて接合が始まる。
少しでもと攻撃を加え続けながら上空を見る…どうやらレーヴァテインの準備が整った様子が見えた。
俺は人型から距離を取った。
「…ブチかませ!!」
人型の上空その真上に陣取ったレーヴァテインから大口径のレールガンが発射される。
瞬間の稲光が一筋の光りを生み出しその圧倒的な質量が人型へ着弾…風が土埃を巻き上げて様子を伺う事ができない。




