第七十一録:終わりよければ? 五節「タイムカプセル」
休息も終わり俺たちはビルを飛び越えながら移動をしていた。
レーヴァテインで近づければよかったが着陸させれる場所はなくいつ終わるかもわからない探索にずっと滞空させておくわけにもいかない。
ドロシーは夜天羅が背に抱えて移動をし俺は戦える様に抜刀しながらの移動。
「もうすぐ、保管庫が見えてきます!」
先頭で案内をしてくれているラグナが俺たちへそう知らせ、少し先のビルの上で止まる。
すぐにラグナと同じビルに全員で集合。
「あの下の施設です。」
斜めに歪んだビルの平面になってしまったフェンスに足をかけて下を見下ろす。
「ほー……草木に覆われておるのう。」
「もじゃもじゃ!」
うにゃん…にゃ!?
影の中からコイスケがのそのそと現れると大きく伸びをした…が、すぐにドロシーに捕まって抱き抱えられてしまった。
「コイスケ!もふもふであったかい!!」
にゃーん……
コイスケと目が合う、半目でこいつをどうにかしろと訴えかけている気がする。
「まぁ…ちょっと我慢してやってくれ。」
にゃんにゃー……
「着いたはいいですが…施設内は大丈夫なんですか?」
ネーメルさんはラグナへ心配事を聞く、確かに外観はどう見ても朽ち果てている。
「大丈夫、一応はノーメンテナンスでも三千年は持つ設計だよ。もちろん魔力なしでね。」
「すごいですね!」
「ロストテクノロジーというかオーバーテクノロジーというか…」
なんとも…淀んだ雰囲気を醸し出す保管庫、まだ日中だと言うのに木々のせいで薄暗くなっている。
「じゃあ…降りるか。」
「じゃな!」
「ごー!ごー!」
先駆けに俺とベリルさんとラグナで飛び降りて周囲に危険がないか確認をする。
夜天羅が何も言わないから危険な生物はまずいない、問題はアンデット……しかし反応はなく周囲から音はしない。
「……危険は無さそうですね!」
「ですね、夜天羅ー!大丈夫だ!」
「了解じゃー!」
夜天羅と抱えられたドロシーとネーメルさんが降り立ち合流。
「入り口はこっちだよ。」
地面は傾斜で壁や支柱なんかを足場にしつつ苔や木の根に侵食された扉の前に立つ。
「壊して開けるか?」
「いや…多分こうすれば…」
ラグナは扉の近くを弄り始めて何かの危機を操作し始めた、すると────ガコンッ!
「よし、開いたよ!」
錆びついた扉が不器用な動きをしながら扉が開かれた、パラパラと植物の破片が落ちていく。
「ありがとう、ラグナ助かる。」
俺は明かりを灯して軽く内部を照らす、手前しか照らせずに奥は完全な暗闇。
「二人に分かれますか?」
「どうしましょうか…できるなら固まって動きたいですけどね。」
なるべくなら分散はしたくはないが…どこに何があるかわからない。
「地図なら僕の頭に入っているよ、目的が漂流物だけなら案内するけど…どうする?」
ラグナから提案された内容は俺たちにとってはこの上なく都合がいい。
「頼もしいな、それで頼む。」
再びラグナを先頭に保管庫へ潜入を始める、中は長年閉め切られていた事もあり埃やカビ臭い匂いが鼻をつく。
「くさーい!」
「ほれドロシーよ布で鼻と口を覆っておくのじゃ。」
「夜天羅!ありがとう!」
内装は普通と言っていいのかよく見るビルの感じで保管庫ということもあり簡素な作りが目立つ、荒らされてはいないが墜落時の衝撃のせいだろうか物が散乱していた。




