表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第四章:オーザンガール編
384/463

第七十録:接続 五節「二千年越しの完成。」

「謀なんてしていないよ、僕が穴を開けて入ってきた時点でダメだったんだよ……メサイアプロテクトは君をウイルスと検知してしまったみたいだね。」

「ッ!クソ…」

自身のブラックホールも裏目に出た結果、急速に朽ちてゆくオレイカルコス。

もはや…何が出来るわけでもなく消えてゆく定め。


「ごめんね…」

「薄気味悪い憐憫はやめろ、さっさと行け」

ラグナからは純粋な憐れみをオレイカルコスは受け入れることができない…否、そのデータが無い、意味は知っているしかしその蓄積が存在しない。

だから理解なんて夢のまた夢で絵空事に過ぎない。

「うん…そうだね、さようなら。」

「………」


返事はない、そんなことは分かっていたオレイカルコスとラグナの間に友情など…。

ラグナは背を向けて振り返らずにドロシーを連れて去っていく。

ドロシーだけは背後を振り返ったがオレイカルコスが板橋にはもう何もなかった、誰も存在しなかった様にその全てが消えた。


「…ドロシー、一つだけ悪い知らせがある。」

「え!?」

「実は───」

──────ラグナがコンピュータの中へ潜入してから数十分が経つ。

外で待つしかない俺と夜天羅は気が気じゃない、たかが数十分が途方もない時間に感じる。

ドロシーの身体を抱く夜天羅の手を握り少しでも彼女の不安を取り除く。


「ッハァ!!」

「ラグナ!?」

意識なく沈黙をしていたラグナが急に覚醒をし強く息を吐いた、ラグナが戻ってきたということは───

「ドロシー!」

俺はドロシーの身体へ視線を向けた…だがそこには変わらず意識なく夜天羅に抱かれている。


「な!?ラグナ!ドロシーは!?」

「ハァ…ハァ…ドロシーはその身体にはいないよ。」

「な、なんじゃと!!」

それは、つまり、ドロシーは……いや!まだ決めつけてはだめだ!

「すまんが説明をしてくれ!この身体にいないってどういう事だ。」

ラグナが疲れているのはわかっている、こんな詰め寄るのも間違いなのはわかっているだがそれよりもいち早く安否が知りたい。


「ドロシーは…気が付いてなかったみたいだけどオレイカルコスとの戦いの中でその身体へ戻る術を失っていたんだ。」

「なっ!?」

「じゃ、じゃあドロシーはっ!!」

「だから…だから別の身体へ魂を移したんだ。」

「別の身体じゃと!?」

ラグナからの説明は衝撃的な物だった、別の身体?理解が追いつかない。


ドロシーの身体はエミリーが拵えた特別製だ、それの代わりがそう簡単に──いやここはエミリーとニックを作った会社の本拠地。

「ハハハ…皮肉だよね、誰もいなくなってからあれだけ必死にしていた研究が完成するんだからね。」

「なんの…事だ?」

その時だった近くの機械が起動して動き始めた、ラグナはよろよろと立ち上がりその機械へと向かう。


「お、おい!」

「これが…僕たちの完成形だよ。」

ラグナは機器の前に立ちレバーを引いた、すると白い煙を吐き機械の扉が開く。

冷たい冷気が俺たちの肌を撫でた…白煙はすぐに晴れそこにいたのは──

「お、女の子?」

機械から飛び出してきたのはベッドの様な物に横たわる少女だった。


白い病衣を纏い無造作な長い白髪、日に当たらないその肌は病的なほどに白い。

理解が追いつかないままに事態が二転三転し困惑を極める俺と夜天羅。

「うぅん…んぁ……??」

俺たちの理解をよそに少女が目を覚ました、薄い赤みがかった瞳が俺たちを捉える。

「あっ!!夜天羅!縁継!」

満面の笑みを俺たちへ向ける少女、その表情に声音に覚えしかない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ