第六十九録:感情は。 四節「合流」
────「お前様〜!」
「ヨリツグ!ヨリツグ!」
響く夜天羅とドロシーの声が耳に入ってきた、その方向へ視線を向けると夜天羅に抱えられたドロシーが大きく両手を振っている。
その少し後ろにはベリルさんとネーメルさんもいた、どうやら全員無事な様子で安心した。
「みんな無事でよかった!」
皆が俺の元にきて無事に合流ができた……さてまず最初にしなければならない事がある。
「ドロシー。」
「なにー?」
夜天羅に抱えられたままのドロシーへ声を掛けて目を合わせる。
「…ごめん、リックとエミリーの件を黙っていて。」
俺は頭を下げて謝罪をした。
まずはこれをしなければダメだろう、いくら夜天羅が説明をして和解をしていたとしてもだ。
「お前様!なぜその事を!?」
「オレイカルコスから聞いた…」
「ヨリツグ……いいよ!」
そう…笑顔で答えてくれたドロシー、まだ整理が追いついていないかもしれない。
だけど気丈に振る舞ってくれている……強い子なんだろう、だからこそ夜天羅と一緒に伝えたかった。
「ありがとう」
俺はドロシーへそう感謝を告げた。
「夜天羅も任せっきりしてごめん…だけどドロシーと一緒にいてくれてよかった。」
「よいのじゃ…ドロシーがわしらを信頼してくれたおかげでもあるのじゃ。」
「違いない。」
夜天羅は俺に身を寄せてくる、それを受け止めて優しく抱きしめた。
「ドロシー!褒められてる!?」
俺と夜天羅に挟まれたドロシーが顔を出すと
そう言って交互に顔を見てきた。
「そんなとこだ。」
「そうじゃよ!」
「わーい!!」
ドロシーは飛び出して嬉しさを表す様に俺たちの周りを駆け回る。
抱き合うのをやめてその様子を見守る、闘いの後に訪れた束の間の休息を得た。
───「……それでヨリツグさんこの人が?」
「えぇ、オレイカルコスに操られていたホムンクルスのラグナです。」
ベリルさんは俺の横、その下に縛られて寝転がっているラグナへ視線を向けた。
…かなりの時間が経っているにも関わらず起きる気配がない、別行動をしていた間の情報は夜天羅から聞いた。
ドロシーがオレイカルコスを強制シャットダウンをした…ならラグラも強制的に接続が切れたことになる。
「生きています…よね?」
「多分…」
ネーメルさんは不安げにラグナへ近づき警戒しながら確かめている、ついでにドロシーもラグナの頭を恐る恐る突いていた。
身体的には間違いなく生きているが……強制遮断の結果、ラグナの意識が目覚めるのに時間が掛かっているのか?
どちらにしろ…オレイカルコスが再起動する前にラグナを連れて一度撤退をした方がいいだろう。
この世界はインターネットがほぼ死滅しているからオレイカルコスがアキレウサスから出る可能性は低い、都市が墜落してから外に出ていないのが証拠だろう。
「…今回はラグナを連れて一度撤退しませんか?」




