第六十九録:感情は。 三節「想いの先」
「……ほ、ほかには?」
「お前さんを愛してると…そして世界を、外を見てこいとな。」
エミリーの想いを可能な限りをドロシーへと伝える、一言も想いが漏れてしまわぬ様に慎重に。
「……わかった、ドロシー…ドロシー、ヤテンラのこと信じる!」
顔をあげたドロシーの表情は笑顔だった。
悲しみはある、心の整理も追いついていないだらう…しかしそれでも前を進む強い意志とわしや旦那様への信頼が伝わってくる。
「そうか…!嬉しいのう…!ありがとうなんじゃよ!ドロシー。」
わしは受け入れてくれた事へ感謝を告げてよりドロシーを抱きしめてしまう。
あぁ…なんて強い子、わしらはもっと早くこの子の強さに気がつくべきだった、そうすればこんな負担を強いることもなかったはず。
それだけが本当に悔しい。
「コイツ!?好き勝手にッ!!」
そう怒りを孕んだ声を上げたのはベリルだった、視線はモニター…恐らくはいまだにわしやドロシーへの罵倒かそれに類する言葉を並べている。
「大丈夫じゃよベリルどの、そやつの作戦は失敗したからのう…もはや意味のない抵抗じゃ。」
ドロシーを抱きしめながらそう答えた、画面の言葉は知らないし至極どうでもよい。
「ッでも!…いや、ヤテンラさんがそう仰るなら私からこれ以上は無粋ですね。」
ベリルは怒りの矛を収めてくれた、すると腕の中にいたドロシーがもぞもぞと動き出してわしに顔を見せた。
「ヤテンラ!抱っこして!ドロシー!怒った!!」
「お、おお…どうするつもりじゃ?」
「オレイカルコスをこらしめる!!」
顔を怒り顔にしながら両手を変形させた、わしはドロシーを抱えて再び鍵盤の前へ。
「中にいるよりドロシーほうが有利だもんね!!」
得意げに言うと凄まじい速度で鍵盤を弾いてゆくと同時に画面の表示が目まぐるしく変わっていった。
オレイカルコスも画面の端の方でなにやら抵抗はしているがこの端末から排除されたが故に無力。
「ふふん!しばらくは反省だからね!!」
ドロシーが鍵盤を叩き終わる、あれだけ色々表示されていたが今は画面に一言だけ"強制シャットダウンをしました。"
「こ、これは何をしたんですか?」
ネーメルが困惑気味にそう尋ねてきた、機械に疎いわしでも聞いた事はある強制シャットダウン…しかし画面は光を放ち電源は落ちていない、もしや────
「ドロシー、おぬしもしやオレイカルコスを?」
「うん!!眠ってもらった!しばらくは起きてこないよ!」
「なるほどのう」
「??」
わしは納得できるがベリルとネーメルの二人は何かよくわかっていない様子。
「つまりじゃ!ドロシーはのうオレイカルコスを一時的に封印したんじゃ!」
「な、なるほど」
「しかし…一時的とはいえ脅威がいなくなるのは助かりますね。」
「じゃな!お手柄じゃドロシー!」
「わーい!!」
わしはドロシーを抱えて褒めて少し一緒にはしゃいだ。
「では…一度ヨリツグさんと合流しますか?」
「じゃな!旦那様の方もなにか変わっているかもしれんしのう!」
閲覧ありがとうございます!!
早いもので初投稿から一年が経過しました、皆様に読んで頂けて毎日投稿が続けられています、ありがとうございます!
毎日投稿も継続していきます。
あと最近時間ができたのでキャラのラフ画と設定資料を作っていきたいと思います、多分……6月の終わりには……投稿できるはず…多分。
自分の画力がどんなものか知りたい方はTwitter(鋼の意思)のアイコンを見て頂くと画力がわかります。
それでは長くなりましたがこれからも「異世界期間録」をよろしくお願いします!では!!




