第六十八録:黒幕は─ 三節「対話」
────「ほー…ようわからん機器ばかりじゃのう。」
旦那様と別れてわしらはフロアの探索をし始めた、未知の機械が忙しなく稼働をしていた。
「神代の魔道具か?」
ベリルは首を傾げながら機器を見ていた、その疑問は当然だろう魔力が一切流れていないのだから。
「これは機械じゃ、電気で動いとる。」
「やはり…魔力を感じないと思ったらそうでしたか!」
「どうやらこのフロアだけは魔力ではなくて電気のみを動力として稼動しているみたいですね…」
「うーむ…機械は触れんしのう……」
困ったことに調べようにもドロシー以外は機械がわからない。
それにドロシーに触らせるわけにはいかない、旦那様からはAI?だかの危険なウイルスみたいな奴がおるかもしれんらしい。
「ドロシー!やってみる??」
意気揚々と得意げに右手の指をを変形させて接続軸を掲げる。
「すまんのう…今回はお預けじゃ、なんでもAIが悪さをするかもしれんくてのう。」
「うーん……じゃあさ!じゃあさ!接続しなきゃいいんだよね!?」
「まぁ、それならドロシーに害はないが…どうするんじゃ?」
「ヤテンラ!抱っこ!」
「お、おぉ?」
ドロシーに促されるままに抱え上げて機器の高さに合わせてあげる。
「ふふん!"中"に入らなきゃいいもんね!!」
カシャンッ!!普段の丸っこい手とは違い機械的な五指が飛び出した。
「んお!?」
突如の大胆な変形に思わず驚いてしまうが、ドロシーは物凄い速さで鍵盤の様な機器を打ち込んでゆく。
画面には膨大な情報が濁流が如く流れていくがそれをなんでもない事の様に平然としているドロシー。
「えーい!!」
ターンッ!と強く鍵盤の一箇所を指で叩くと画面がまっさらになり"排除完了"と表示されていた。
「こ、これは!?」
わしもだがネーメルどのもベリルどのもみなが驚きを隠すことが出来なかった。
「これはねー!AIをこのパソコンから追い出してやったの!!」
「なんと!ようやったのうドロシー!」
「ふふん!!」
ここを調べる重要な情報が手に入るかもしれないそんなおお手柄を挙げた、得意げなドロシーは胸を張っていてわしはその頭を撫でる。
その時…ピロンッ短い電子音が耳に入ってきた、わしらは画面を視線を向けた。
"なぜ味方をする"
そう短く文章が表示されていた。
「もー!!しつこいよ!!」
ドロシーが少し怒った様にまた鍵盤を触ろうとするが…わしはそれを止めた。
「えー!ヤテンラ!?」
「まつのじゃ、こやつがAIかの?」
「うん!そうだよー!オレイカルコスだって!」
旦那様がラグナとやらから得た情報そのまま…そやつの事情に信憑性が出てきおった。
「わしの言葉をオレイカルコスに伝えてくれんかドロシー?」
「わかったー!」
敵から接触をしてきたのなら…真を話すかは置いておくとして対話は試みてみる。




