余談「君の日:下」前編
───蝉の声がまだうるさい八月。
夏休みも終わりが見え始めたそんな日…大事な日が近づいてきた、夏休みの終わりなんかよりそっちの方に気を取られている。
「どうすっかなぁ…」
ケーキや食事は問題ないとして…プレゼントをどうするか悩んでいた。
今は電車に乗り街の方まで来てデパートを散策して休憩をしている。
喫茶店の冷たいココアが体に沁みる、そこで改めてどんなプレゼントがいいか考える。
予算は全然あるが…スマホは去年のクリスマスにプレゼントをした。
………正直思いつかない、無難にアクセサリーとかを考えるが喜んでくれるか微妙だ。
興味がないわけじゃないんだろうけど好きというほど興味があるとは思えない、普段の夜天羅を見ていてそう思う。
どうしようか本当に悩む。
夜天羅が喜びそうな物……なんだろうな…そうやってぐるぐると思考を巡らせるも答えがでなくて結局考えるのをやめる。
このループをさっきから何回も繰り返している、そんな自分に少しあきれつつ喫茶店のガラス窓をぼーっと眺める。
…行き交う人々、家族連れ、友達、恋人、etc…十人十色の人間模様が濁流の様に流れていく。
夏休みだという事もなり人が多いな…なんて当たり前の事を思っているとある店が視界に入ってきた、それを見た時ビビっときた。
俺はアイスココアを流し込み、食器を下げて喫茶店を後にした、すぐにそのお店へ直行。
悩んでいた夜天羅への誕生日プレゼントが解決した。
これなら夜天羅も喜んでくれるかもしれない。
店員さんとやりとりを経て俺は店を出た、8月15日に商品を取りに来る予約をした。
これで…夜天羅の誕生日を憂なく祝うことができる、家に帰る前にお土産を買い俺は街を去る。




