第六十七録:囚われた者 四節「常軌を逸する」
俺たちは階段を上がり実験場に到着…扉を堂々と開けて俺だけ入室、そこは管理室の様な場所だった右側はガラス張りがされておりガラスの向こう側は色々な機器が配置されていた。
管理室から移動をして広い円形の場所に出てきた、ここが実験場の中心。
「おやおや…お1人でのこのことやってきたのですかぁ??」
頭上から人の神経を逆撫でする様な男の声が聞こえてきた。
俺は声の方向へ視線を移動してその正体を視界に収める……。
ゆっくりと空中から降りてきた男…形は人、肌色はグールと同じ灰色だがより濃い灰色、長い爪に朱色一色の瞳。
「お前がネクロマンサーか?」
俺は静かに地面に降り立った男へそう言葉を投げかけた、男はニヤニヤと不気味な笑みを浮かべてこちらを見る。
「僕が…ネクロマンサー…?、は、ハハハハハハッ!!!」
問われた内容を聞き突如として高笑いし始める男、敵かもしれない俺を前にしての大胆な行動…こっちを舐めてかかっているのか、それとも狂っているのか。
「酷い勘違いだなぁ!!そんな魔法だ魔術だと僕は科学技術の結晶さ!!」
両手を広げて高らかに宣言をする、科学技術の結晶か…今いる場所からしてそう言われても納得はできてしまう。
「……そうか、じゃああのグールはお前じゃないのか。」
「それも間違いだよ!!あれは僕の子機さ!」
子機…?奴の配下ではあったのか、ならなおさら解せない。
「なぜ、俺たちをここへ招いたんだ。」
「お前たちはいい駒になりそうだったかなぁ!!その体だけ僕にくれないか!?」
クソっ!……対話が出来るから敵じゃないことに希望を持っていた、だが違った。
俺は刀を抜刀して構えた、男は変わらずヘラヘラとしながら俺を観察している。
「…それは出来ない相談だな。」
「ハハハッ!!僕のナノマシンでお前らもグールにしてやるよぉ!生きたまま死んで生かしてやるからねぇ!!?」
「…それは遠慮する!」
男は右手の爪を鋭く伸ばし鉤爪にして俺に襲いかかってくる。
異様なスピードで地を這い掬い上げる様にして俺の顔面を狙う、それを爪を折る勢いで刀を振るう。
ガギィッ!!!鉄同士が激しく衝突、火花が散り男と目が合い睨み合った。
「僕はぁ!ラグナ・フルリッパー!!よろしくねぇ!!!」
狂気に飲まれた様な真っ赤な瞳を目一杯開き口が裂けてしまうのではないと思うほど吊り上げて俺に対して自己紹介をしてくる。
「……縁継だ」




