第六十七録:囚われた者 一節「予想外の接敵」
夜天羅以外は武器を取り出して構えた、俺はナイフをベリルさんはククリ刀に似た湾曲したマチェットを両手に、ネーメルさんは腰からショートソードを構える。
全員にアイコンタクトをしてから俺は扉を開け放ち飛び込んだ。
……そこにいたのは死霊に似た何かだった、数は五体。
夜天羅が反応しているから生きてはいるんだろう…人型と命のやり取りは気が重い。
できれば襲いかかってこないでほしい、襲われなければ戦わないで済む。
だが……そんな淡い期待はすぐに消えた。
俺を認識するや否や目の色を変えて襲いかかってきた。
「っ!…敵襲!!」
ベリルさんとネーメルさんへ合図を出した、即座に反応した二人が扉の近くにいた二体を倒した。
残りは前方に二体と左に一体…まずは距離の近い左の一体へ向けてナイフを振るう。
敵とはいえなるべく苦しませない様に狙う場所は首、メイン武器の刀でなくとも首を断つ事は可能。
ゴガァ….…短い鳴き声とも喘鳴ともとれる声を発し首が地面へ転がる。
残りは…前方の二体、仲間と呼んでいいのかわからないが味方がやられたにも関わらず興味がない。
俺を殺す事か喰らうことしか頭にない…二体の敵は向かってくるもまだ距離がある。
すぐさまナイフを仕舞い、俺は刀を抜刀した。
室内が思いのほか開けておりこれなら刀を使う事ができる、両手で正眼に構え的を迎え撃つ……敵が横並びになった瞬間、刀を首目掛けて横一閃。
ガガッ…!
グギッ!
二体の首が同時に宙を舞い、切り離された身体は力無く地面へ横たわる。
…戦闘が終わった、俺は刀に付着した血を払い、納刀。
(すごい!見た目は長剣、威力は両手剣!強い!!)
(さすが…1等級、ルナミスの悪魔を倒した実力。)
「お二人とも大丈夫ですか?」
俺は振り返りベリルさんとネーメルさんへ声をかけた、まぁ…大丈夫だろうと思うが念のための確認をする。
「はい!」
「問題ありません。」
やはり二人とも敵を瞬殺していたから掠り傷すらない。
「しかし…コイツらは一体?」
今し方倒した奴らの遺体へ近寄る…変形した人間の様な感じだろうか?
肌は変色し濃い灰色、爪は武器の様に鋭い。
目は白目がなくなり眼球内で血が破裂したのか真っ赤に染まっている。
「………グールですね。」
遺体を一緒に見ていたネーメルさんがポツリと敵の名を呟く。




